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パワーアップ!!

 やっぱりと言うか何と言うか、闘神の神子云々ってイネスさんから聞いてたらしいんよ。そんな事実無いのになぁ?


「信じる者が正義でございます!」


 どこの黒飛蝗さんかな?

 まぁ、それはそれとして、デストネーチェ王国(うちのくに)のドラゴンスレイヤー辺境伯の話自体は、この宰相さんも知ってたらしいんだわ。と言っても、プロバガンダの類だと思ってたらしいんだがね。

 実際、隣国のクーデターやら魔王軍の侵攻へ()()したりして、事を治めたりとかやってたんで、()()()()()()()()()()()()()()()()って見せつける意味もあるって感じで。


 いやまぁ、全くその意図が無かったってこたぁ無いんで、間違いじゃないっちゃ、間違いないんだがね。


 で、その辺境伯と思しき人物が、聖女と()()()()、この国の貴族に対し、特定方向へと思想を誘導しようとしているっぽい動きを見せている。ってぇ感じに見えたらしい。


 成程、別視点から見ればそうなるよな。


 実際、俺は魔族の企てを邪魔するって意図しかなかったんだが、それを知らん人から見たら、内部干渉か政治工作かってぇ感じだわな。

 しかも今回、俺、他国だし、伝手も無いしって事で、あんまり表立って動いてなかったからな。成程、これはあれだ、黒幕ムーブだ。


 まぁ、この国の役人だって別に無能って訳じゃない。怪しい他国の貴族がいろいろ工作してる……様に見えたんだ、色々と探りを入れたり、俺の周辺を調べたりしてたらしいんよ。


 そんな折、『国王陛下とお目通りを』と、『お話がございます』と、その疑惑のイネスさんが面会を求めて来た訳だ。

 流石に、代々の聖女様の教育係を務めてきたこの人の影響力ってでかいらしくて、宰相さんも無下にも出来なかった事もあって、取り敢えず、自分が話を聞きますのでと、面会をした所、出てきたのが『闘神の神子』と言う単語。

 それを聞いて宰相さん、やっぱり、イネスさんが騙されてるかもってぇ可能性が頭によぎったってぇ訳だ。

 いや、何か、イネスさん、熱心な闘神の信者だったらしくて、それっぽい色を纏ってる俺が、それっぽい事を言ってれば、騙される可能性だって微レ存。とか思ったらしい。


 俺のやった事ってポッキリ折って、仕立て直しただけなんだけんどもよ? あれ? もしかして、より(たち)が悪かったかね?


 そんな彼女が、()()()取り込まれるのは、獣人の王国にとっても看過できない事なんで、どうせなら、その正体を暴いて、恐れ多くも『闘神の神子』だなんて名乗る俺に天誅を喰らわせてやろうってな決意を固めたらしいんよ。


 ……いや、俺、名乗った事も無いんだがね。うん。


 で、今回、俺ってぇ人間の見極めと、もし、想像通りの他国からの干渉であった場合は排除しなければってぇ事で、危険を承知で城内に案内したらしい。それも、戦闘に成っても平気な様に、大立ち回りも出来る様な大きい方の謁見室に、近衛騎士達も詰めさせて、だ。


 うん。横に近衛騎士ずらっと並んでるの、この国の儀礼的な何かかと思ってたんだが、もしもの時の為の戦力だったんだ。


 因みに、王様ん所は結界で完全隔離してあるんで例え【極大魔法】使われても平気だったらしい。その代わり、音なんかもシャットアウトしちまうから、王様ん所には全く声とか聞こえんらしいんだが。

 つまり、あの耳打ちは全くの()()で、実際はなんも伝わって無かったんだな。納得納得。


 そして実際に対面し、赤褐色の俺を見て『これなら騙されてしまうかもしれない』とか思ったんだそうな。いや、だから、俺、自称した事ねぇんだってばよ。


 その上で、どこからともなく幼女が出現。すわ! 罠に掛かったのはこちらだったのか!! と、慌てて俺を攻撃。


 だが結果……


「トール様が【闘神の化身】だとはつゆ知らず!! その上、カタリだなどと!!」


 いや! 【神子】から【化身】にパワーアップしとるんだが!?

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