表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
468/1159

群れ成す

 地図を製作し始めて、既に一週間が経とうとしてる訳だが。


「人類の痕跡が見当たらん」

「あった、よ?」


 うん。イブさん古代遺跡(ダンジョン)も確かに人類の痕跡では有るんじゃがね? 俺の言ってるのは現存する人類の痕跡の事で、つまりは街道どころか村とかも見つけられんってぇ事でな。


「いっぱい」

「……うん」


 俺達が地図を製作する為に測量をしてる間は暇になるじゃん? いくらファティマとジャンヌの能力があるったって、数字出す為にゃ、何カ所かで計測せにゃ成らんからなぁ。


 その間、(ミカ)達やイブ達なんかは、周囲を警戒しつつ、採取やら何やらをやってたらしいんだが、地中探査をやってたイブとティネツエちゃんが、何度も地中に空洞を発見してたらしいんだわ。


 で、それを面白がったラミアーとセフィがトンネル貫通させて確認とかしてたんだそうな。

 いや、俺が居ない間に何してやがってくれてるんじゃろね? こいつ等。


 地中の空洞に穴開けて、ガスとか噴き出してたらどうするつもりだったか!


「あたしは平気ぃ」

『じぶんも~』


 魔物’S(おまいら)はな!! 普通の人間は、大気濃度がちょっと変わっただけで即死の危険性が有んだよ!!


『ふつうの?』


 ……で、だ。問題なのは、その数が尋常じゃないって事だ。

 こいつらが、見つけに見つけた古代遺跡(ダンジョン)数、その数31カ所!! 何そのダンジョンラッシュ!!


「なぁ、ダンジョンが発見されるのって珍しい事なんじゃねぇの?」

『【肯定】その通りです』

「その言葉に説得力が無いんじゃが?」

『【心外】この状況の方がイレギュラーなのです』


 うん。まぁ、分かってるけど。家の領で使う古代遺跡を探すのだって結構な時間が必要だったからなぁ。

 ただ、このこと自体は絶対にありえないって程な事な訳じゃぁない。


 何せ、家の隣国であるスルフォブルーローズ、つまりは、エリスんとこも、古代遺跡が大量に発見されてる訳だし、古代遺跡の多い土地ってのは確かにある訳だからな。


 ただ、そのスルフォブルーローズですら、1つの領に1つ位の割合であって、決してここまで大量に密集してるってぇ事は無い。


 この事は大発見ではあるんだが、現状の俺達の状況では、それを無邪気に喜んでもいられないってぇ訳だな。


『【納得】密入国なのデス』


 いや、“扉”で()()()()()場合、密入国にはならないんよね。その代わり、飛ばされた後での報告義務はあるんだが。冒険者であれば。


 まぁ、俺達の場合、“扉”によって飛ばされてはいるんだが、自分達の意志でって時点で結構なグレーゾーン。


 いや、黙ってりゃバレはしないんじゃが。


 と言うか、問題なのは、この遺跡がそれぞれ数時間程度の場所にしか分かれていないって事なんよ。つまり、穴掘った痕跡を辿られれば、家の領の遺跡にも手が伸びんとは限らんってのがなぁ?


 まぁ、取り敢えず、それら全ては埋め戻させたんだけんどもよ。セフィが穴に木の根を張り巡らさせて、それにラミアーが、土を草ごと【念動力】で移動してなぁ。その時間、たったの3分。


 ……()()もっと早く教えて貰えんかったか? 何の為に俺は最初の穴埋めに、あんなに苦労したんだか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ