探索の始まりだ!
イマイチしっくり来てないのは、俺が前世的価値観を引き摺ってるからなんだろうな。ほら、ゴブリン、オークなら集落ごとぶっ潰してるじゃんか。
なのにグリフォンだと気拙いのは、なんとなく前世だとグリフォンってパートナー的イメージがあるじゃん? まぁ、ジャパニメーションイメージなんだけどさ。
本来のグリフォンって言い方も何なんだけど、古いグリフォンのイメージって、獰猛で、特に馬なんかを襲って合いの子まで残す様な生き物らしいんだわ。紋章学的には『鳥の王』+『百獣の王』って事で『総ての王』を表してたんで、王家の紋章とかに使われてたらしいが。
それはさて置き、こっちのグリフォンは、獰猛なって言う本来のグリフォンのソレに近しいっぽいな。まぁそもそも獅子の下半身なんて持っちゃ居ない様だが。
それでも、獰猛で迷惑な存在って事には違いない訳だ。あまり、この件は引き摺らない方が良いっぽいわ。
切り替えよう。
うん、切り替えた。
「てか、グリフォンが居るって事で、どこの大陸に繋がってるかは分らんのか?」
『【報告】恐らく北東の大陸でしょう』
「位置的には?」
『【大凡】最初に行った大陸より、ややこっち寄りの場所です』
うん、分かった様な分からん様な。
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結局の所、交易ルートにはない大陸なんで、地図製作しながらの道行きに成るって事は確定した。ただ、見渡す限りでは、街道らしきモノは見当たらんので、また捜索範囲を広げながら、取り敢えず道か村を探すって事に成る。
その辺りも最初の大陸と同じだな。
「グギャ!!」
「グギャギャ!!」
そして何処にでも居るんなゴブリン。多分亜種。家の方より緑色が深いんな。
「わん!!」
「ワオン!!」
12匹程度の小グループだったんで、ミカとバラキに瞬殺されたが。うん。瞬殺。対グリフォン戦は空中だって事もあって、イブ達の護衛に専念したからなぁ。
それよりも、ゴブリンども倒すの1秒掛ったか? これ。
まぁ、例によって分身してたんだが。いや凄いよ? この前まで2頭に増えてたと思ってたんだが、今回3頭ずつ、計6頭だったわ。つまりは1頭で2匹を瞬殺。
そしてその後、分身したままで、撫でる様に強要するんな。分身の方は感覚有るんか?
どうやら、プラーナ使って増えてるらしいんだが、どうやってるのか、まるっきり分からんわ。
俺のエクステンドとも違うからなぁ。あれだと、体から離れると消えるし。強いて言えば【指からビーム】?
「わんわん!!」
「ワオン? ワン!」
あー、はいはい。撫でるのに集中しますよ、お姫様達。てか、いい加減、分身は止めて貰えませんかねぇ? 数が多いわ数が。
「じー」
『じー』
……いや、こっち見ててもおまいらは撫でんからな? ラミアー、セフィ。




