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もしくは自縄自縛

 ネームも通って原稿作業。うん。人物(キャラクター)だけ描けば良いって、楽だよね。


『【進言】そう思えるのはマスターだからです』

『【同意】普通は人物だけでも結構な労力なのデス』


 え? ホント? 俺、前世でも背景描くのは苦手だたんだけど? その割には風景描くのは苦じゃなかったんだが……

 何かね、人物と風景を一緒に描くのが苦手ってか、多分、人物と背景画を同じレベルでディフォルメするのが苦手だったんだと思うんよな。特に背景の方。

 何か、普通に描くと、背景の書き込みに比べて、キャラクターがシンプル過ぎるように感じてなぁ。かと言って、背景に合わせて人物を描くと何かごちゃついてる感じがね。

 まぁ、それは良いか。

 取り敢えず『新約・皇国建国記』と『魔人族国建国記』で合わせて300ページ分か……あれ? 既に200ページくらい描いてるよね? そんなに有ったっけ? 有ったんだろうなぁ。まぁ、がんばろう。


 俺が居ない間のアシスタント三人ね、何かお互い新しい表現法とか発明してたわ。点描打ちした後に腐食させない様にコーティングで集中線描いての点描フラッシュだとか、それの発展形で、人物描く場所だけ白地を残して後で背景と組み合わせられる様にしたりだとか……いや、俺が王都行ってる間に、どんだけ技術上げてんのよ。

 印刷の方は印刷の方でテキストだけ別に印刷出来る様になってるし。マトスン&ドワーフさん仕事しすぎ。それに合わせて、インクの方も炭だけじゃなくてコールタールみたいなのを混ぜて、粘り気の強いタイプを新造したりしてるし!!


 コールタールってか、その原料の石炭を掘り出したのはコボルト達らしいが。うん。地中と言ったら彼らの出番だよね。もっとも、コボルト達は別の鉱物掘ってる時に発見したらしいが。

 いや、印刷技術だけでも、すでにオーパーツと化してるんじゃが!?

 みんな漫画本を出すのにどれだけ真剣なんじゃよ!!


 それよりも石炭が発見されたのか。あれか? 蒸気機関の事も説明しちゃうか? 高火力で水蒸気エンジン回しちまうか? 産業革命、始まっちまうのか!?


「……あの、トール様、高い火力が必要だと言うのであれば、ドワーフのおじさま達なら、コークスの方を使うと思いますよ?」


 え? マジかティネッツエちゃん。てか、俺の心の声を読むの上手くなったな。読めるのは感情までだと思ってたんだが……


「ト、トール様とも、つ、付き合いが長いので……その、そもそも鉄製品の製造にはコークスも使ってましたから」


 ……あぁ、そう言や、そもそもコールタール自体がコークスを作る時の副産物だったんだか。第一、石炭のまんまだと鉄が脆くなるんだったよな。てか、家のドワーフ達ってマキを使ってたってぇ印象があるんじゃが?


「この辺りは木材が豊富ですので」


 成程。場所によって調達しやすい燃料を変えてるって事か。


木材(しょくぶつ)と聞いて!」

「呼んでないのだが?」


 どこから出て来たヴィヴィアン。ここ、俺の執務室なんだが? 今はマンガスタジオと化してるけんどもよ。


「ひどいなぁ。折角久しぶりにぃ、顔を見ようと会いに来たのにぃ」

「そう言えば、結構久しぶりか」


 この所、色々と飛び回ってたからな。その割にはヴィヴィアンに頼み事も結構してたが。そう考えると割と不義理だったな。お土産とかは用意してたとしても、直接顔を合わせてってのは殆ど無かったからな。反省反省。


 って、言っても、忙しすぎる状況が悪いんじゃ。休みが欲しい休みが。


『【嘆息】その忙しさの原因を作ってるのもマスターなのですが……』


 ファティマにそう言われ、自分の手を見る。今、俺が書いてる漫画も、元はと言えば、皇国の建国記を分かり易くしようとして、自分で始めたんだったわ。


 うん。自業自得だ。 

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