お話するよ
色々とまだ、バタバタしていて今回も話が短いです。
申し訳ありません。
幸いと言うか何と言うか、皇女さん、自分がぶっ倒されたってぇ事実を覚えては居ても、それが誰の手に依るかって事までは分からなかったらしい。
まぁ、気絶させられた後、宛てがわれた部屋ののベッドの上だったわけだしな。
暗部がバチバチやってる以上、皇国側だって、家の国が気が付いてる何て事は織り込み済みなんだろうが、それでも探りを入れる事を止めるってぇ訳にもいかんから。
皇女さんから情報が渡っちまったか渡らんかったか分からん状況ではあるけど、それでもこっちの対応が変わらん以上、方針を変えるって訳にもいかんから、行動は続行してるらしい。まぁ物が『国宝』な訳で、皇国側だって諦めるってぇ訳にも行くまいよ。
ただ、今回の事が有った所為で、皇女さん、探索から外されっちまったみたいだけんどもさ。上の皇子達的には、リーリン皇女の身を案じてってぇ面が大きいんだろうけど、だからと言ってこういう大役から外されたってのは、彼女的にも色々と悔しいんだろうさ。
そう言う事もあって、今、皇女さんの機嫌はすこぶる悪い。まぁ一応、表面上は取り繕っては居る様だけど、隠し切れてはいない辺り、前も思ったけど未熟だよなぁ。
本当なら、部屋に閉じ籠もって憤懣ぶち撒けてたい所なんだろうが、俺と言う要注意人物を引き止めておかなきゃいけないってぇ関係上、こうして中庭になんか出て、談笑なんぞをせんと成らんといけんって言うね、裏を知ってると、少々同情したくなる事をやってる訳なんだわ。
「どうですか? この国の生活には慣れたでしょうか?」
「皆様、気を使って下さりますので」
うん。それ、慣れたかどうかの返答じゃない上に、その言い方だと『気は使われてるけど、慣れちゃいない』ってぇ事なんだが?
まぁ、彼女にとっては敵地って事な訳だからな。慣れるなんて事は無いんだろうさ。
それでも俺、ホスト役なんで、この皇女さんが、快く過ごす為に気ぃ使わんとあかんねんな。取り敢えず、会話のキャッチボールを成立させる為には、相手の興味の持てる話題を提供するのが一番だって、田舎のばっちゃも言ってた。誰だよ『田舎のばっちゃ』て。
「そう言えば、ソー皇国の始祖皇帝は、竜と関係が深いと聞き及んでおりますが」
「え? ええ、そうですわね」
「こちらに伝わる伝承では、確か『龍の血を浴びた』となっていたのですが」
「それは少々違います! 本当は『力を示し認められ、その血を分け与えられた』のです!!」
おおう、思った以上に食いついたな!!




