聞いてみた
少々体調が優れず、今回はここまでしか書き進められませんでした。
申し訳ありません。
りゅうおう、りゅうおう……龍王? それとも竜王か? え~、俺、あんな2つ割れの髪型じゃないし、何ならローブを羽織っても居ないんじゃが!?
クエストする側ってかスレイヤーな訳だし。いや、だからと言って『ドラゴン絶対殺すマン』って訳でもないけんどもさ。
かと言って将棋か強いって訳でもない。この世界将棋無いけどな! そもそも強くはないのは前世からだしな! 重要な事なんでもう一回言っておく。俺は将棋は“強くはない”。決して弱い訳じゃない。弱い訳じゃ……
とか、前世のトラウマを再発させてたら、何か皇女さん土下座の格好に成ってるんじゃが!? え? 何してんの? この娘。てか、手足縛られてんのに、器用だな!!
「申し訳ありませぬ竜王様!! 奪われた“神器”必ずや取り戻して見せます故!!」
……神器? 奪われた? 成程、大体分かった。少し鼻に掛かった、上ずった声から察するに、どうやらトランス状態ってか、酩酊状態には成ってるっぽいな。
皇女さんはあれか、酔っぱらうと声が大きくなるタイプか。ってか、ちょっとこれは不味いな。大声出されてると、他の城勤めの人達に気付かれっちまうかもしれん。
てか、竜王って……皇国の皇族の上には、そんなんが存在するんだ。聞き及んでる皇国の情報にゃ、そんな存在、居なかったんじゃが?
で、皇族の連中はその竜王の持っていた神器とやらを奪われ、それを探している。と言う事で良いのかね?
そうなると、皇国の連中が探しているは、その“神器”とやらか。もしかしてだけど、俺がその“神器”を強奪した者だと疑われてる? だからこそのあの敵愾心って事なのか?
そして、奪ったのが俺だから、この国に“神器”があると思ってるって事か? まぁ、全くの思い違いなんじゃが。
むしろ、何で俺だと思ったんだ?
ぬう、新しい情報が出たと思ったら、謎も増えたわ。てか、皇国の連中の行動の理由は大体掴めたけど、それだけだな。
どうするか。
「……リーリン、本当に、このデストネーチェ王国に“神器”はあるのか?」
「はい、あのトールとかいう辺境伯が、竜王様のお力を使っているのが何よりの証拠! かの者の言っていた事は本当だったと、確信しております」
……俺が、竜王とやらの力を使っている? どういう事だ? その力ってのは、見りゃ分かる物なんか?
てか『かの者』? つまり、皇族の連中に要らん事言った輩がおるっちゅうことか。




