歓迎レセプション
色々と私事でバタバタとしていた為、今回は短いです。
申し訳ありません。
「ソー皇国、セイエン殿下、ソウリュウ殿下、リーリン妃殿下のご入場です!!」
入場を知らせるアナウンスと共に起こった拍手に迎えられた皇国の表敬訪問団の一行は、煌びやかなドレスと言って良いんかね? 自国の民族衣装に身を包み、満面の笑みをもって会場入りした。
顔合わせの時にも思ったんだが、前世のチャイナ服の様なと言うか、間違ったジャパンの衣装と言うか、中々にエキゾチックで特徴的な衣服だぁね。
何と言うか、ファンタジー作品の“東方”の小国とかって島国とかで着られて居るって感じの。こっちの国みたいな生地の色や縁の刺繡やレースで煌びやかさを作るってタイプじゃなく、生地そのものに絵がつけられていて、それを魅せるって感じの。あー、そう言や、今世はファンタジー系の世界やん。
そう考えると、間違ってないジャパンって事に成るのか? いや、皇国であってジャパンじゃないんだが。
皇国の皇族ってだけあって、会場内では挨拶をする貴族たちが列を成している。流石は一大陸を制した大国やね。お近づきに成りたいって輩が山の様にいらっしゃいますなぁ。
何と言うか逞しいやね。さっきまで、あの貴族連中、皇国の表敬訪問団の事、戦争ばかりの蛮族とか言ってたんだぜ? 思わず苦笑が漏れるわ。
「どうした? オーサキ」
「あー。セルゲイ殿下……って、殿下!?」
思わず二度見しちまったよ。なにエスコートするべきセイエン殿下放置して来てるんだよこの王子様。まぁ、俺もリーリン妃殿下の側には居ないんだがよ。ただ、俺の場合は、ひっきりなしに妃殿下の方に上位貴族が挨拶しに来てるから、それの邪魔に成らん様にって、離れてるんって理由があるんよ。所詮と言っちゃなんだが、俺は辺境伯でしかないからな。エスコート役とはいえ、独り占めしてると思われると、色々悪目立ちするからな。こうして、離れて見守ってるってぇ寸法よ。
それに対して、王子様が皇太子様と常に一緒にいた所で誰からも文句は言われん。要は立場が違うのだよ立場が。
にも拘らず、しれっと、俺の隣にいる辺り、何してんだこの第一王子。そう言う所が国王様から王太子に指名されない理由の一つじゃねぇのか?




