皇国についてのお勉強の様なもの
これでもね、前世では普通にゲームなんぞも嗜んでた人間なんで、歴史は兎も角、神話やら伝説伝承なんかは好きな方なんよ。
なんで、皇国の略歴、楽しゅう御座いましたわ。隣で机に突っ伏してるイブには悪いが。
イブさん、そもそも【魔法】も感覚で使ってるらしいから、理屈で物を考えるのは不得手っぽいやね。天才肌と言うか、芸術家肌と言うか、インスピレーション系。覚えは速いし知恵も回るから、地頭は良いとは思うんだが、慣れん勉強って物でちょっと混乱してるのかもしれんな。物語って直感で理解するって類のものじゃないし。
ティネッツエちゃんの方は、半ば童話を聞いてたってな感覚らしく、良く分からない言い回しや単語何かを聞く事はあっても、基本興味津々で話を聞いてたし、楽しく学べたっぽい。
あれだね、後でイブの為にマンガか、絵本形式で描き出してやるのも良いかも知んないわ。俺の復習にも成るし。
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結局の所、皇国ってのは神格化の系統の国であるらしい。言っちゃぁ何だが、英雄譚があって国を興しました、その死後、神に成りました~系の。ファンタジーなんかだと良くある系と言うか。
【龍】の血被って、無敵に成りましたとかって逸話もあるしなぁ。不死じゃないのは、実際、お亡くなりに成ってるからだろうさね。そして神となりました。って事で。
てか、【龍】って、【竜種】の事だよな? 血を浴びるとパワーアップできる生き物に心当たりって無いん……あーいや、居たな、それっぽいの。鰻とか蛇とかスッポンとか……
え? あれ? もしかして【龍】ってそういう事なん? 何だろう、このガッカリ感。いや、俺はまだ【龍】って物を見ていない。だったら、それ以外の可能性もあるだろうさ!! 例え1%だったとしても可能性に賭けるのが男ってもんだろう? いや、俺、ギャンブル嫌いなんだけんどもよ。
兎も角、話に聞いた皇国の建国伝承は、何と言うか雰囲気を中華っぽくしたヘラクレスの逸話っぽかったわ。『~~演義』とかタイトルに付いてそうな。
まぁ、それでも現代に近くなるにつれ、“歴史”っぽさは増えたけどもよ。それでも何か戦国時代って感じになっただけだったんだが。それも日本の。三国で纏まらなかったらしいわ。『天下三分の計』とはいかなかったっポイ。まぁ、大陸統一してる訳だしなぁ。
それはそれで、楽しくご拝聴させていただきましたとも。
「っと、こんな感じでどうだ?」
『【確認】あ、はい、大体こんな感じかと思います』
「……何?」
絵コンテをファティマに確認して貰ってると、ラミアーが首を傾げてきた。執務もひと段落ついたんで、マンガのコンテを切ってたんよ。
で、ファティマがコンテチェック。こういう時、紙が豊富に使えるって便利だよな。まぁ、製本する時は色々と手順踏まにゃならんけど。
普通に印刷技術が使えるって、実はオーバーテクノロジーだとは思うけど、こればっかりはマトスンとドワーフ達に感謝だな。




