レキシ ヲ マナビマス
皇国の略歴ってのをご教授してもらってるのよ。第二夫人の侍女さんに。
そこは、第二夫人じゃないんかい!! って突っ込みを入れたわ。流石になぁ。
『だって、私だと、どうしても甘えが出ちゃうでしょ?』
とは、第二夫人の弁。まぁ、確かにそうだろうなとは、俺でも思う。
俺に甘えが出る方じゃなく、第二夫人に甘えが出る方で。
てか、第二夫人、既に俺を膝に座らせて、抱きかかえてるんだが?
また、旋毛の辺りスンスンしてるから、何かストレス溜まる事があったんじゃろか?
それはまぁ、置いて於くとして、俺の横で同じ様に教えを受けてるイブさん、ちょっと不機嫌気味。逆サイドのティネッツエちゃんも、チラチラこっち気にして、集中できてないし。いや、ティネッツエちゃんは、年齢的な物も有るだろうけどさ。
この二人が俺と一緒に勉強してるのは、二人が俺の専属侍女扱いに成るからなんだわ。まぁ、国賓を相手にする高位貴族が、専属侍女か侍従を持ってないってのは問題があるって事で。
本来なら、高位貴族の側仕えってのは下位貴族だったり、商人でも豪商のお嬢さんなんかが務めるものらしいんだが、ほら、俺、元平民だし、平民の侍女でも構わないって事で。
本当は、俺、男子だし、オスロー辺りにやって貰おうかと思ったんだが、『オレ、自由な冒険者が好きなんだ!!』って、棒読みで言われて断られたんよね。俺の後ろに居たイブから、えげつない圧が掛かってたが、きっと気のせいだろうさ、うん。
さて、イブとティネッツエちゃんは専属侍女って事になるんだから、当然、俺がホストをやってる間も、側に侍る事になる。
そうなると、皇女様の近くに居る事に成る訳だから、もちろん失礼があったらあかん訳やん? なんで、一緒に皇国についてお勉強してるって訳だ。
で、お国自慢は成り立ちから。特に皇族はなぁ。国の成立はイコール国の誇り、ひいてはその皇族の歴史でもあるからな。
ただ、俺、前世の頃から歴史って苦手だったんよね。
確かに温故知新って言葉もあって、過去の歴史を学ぶ事で、これからの問題点やら、その解決の仕方を学ぶ事も出来るんだろうが、前世の歴史って、とにかく年号と事件の名前の丸暗記だったんでなぁ。
だって、歴史を学ぶって事は人を学ぶ事だって言葉もあるだろ? 事件について、誰がどんな思いで何を成したかって方が重要だと思うんよね。その辺は個人的感想なんだけんどもよ。
まぁ、そんな風に思って、ちょ~っとばっかし、げんなりしてたんだわ。
「と言う訳で、後に皇帝となるソー・マオシンは、コンロン山脈に巣くって居た二面四臂の鬼人を調伏し、人参果樹を手に入れたのです」
……うん、これ、歴史ってか神話や伝説の類だわ。
そう言や、ここ、リアルファンタジー世界だったわ。




