外から見たらそんな感じ
いや、まぁ、こっちに肯定的に成ってくれたんは有難いんだがよ。何でずっと土下座状態? その上で俺達に付いて来るとかある意味ホラーなんだが?
『【考察】ボクは専門じゃないので確かな事は言えないデス。けど、【結界術】を応用してる様に見えるデス。それと、【光系魔法】も同時使用してる様デス』
……結界? あー、つまり、結界をソリ代わりに使ってるって事か!! それで、光魔法を推進力にしてる、と。うん、いや、光は粒子であり波でもあるとされてるから、推進力足り得る……のか?
つまり、光子推進!! え? 何、その素敵ワード!!
『【納得】最初は不愉快な獣だと思ったデス。けど、改心してオーナーを敬うと言うのならかんべんしてやるデス。オーナーの覇道はここから始まるデス!!』
どこから目線よ。それと何度も言うが、覇道なんざ目指してないからな!?
まぁ、心変わりは良いとしよう。そもそもソレ自体は狙ってやってる訳だし。てか、何で常時土下座状態なんよ。
「神子の尊顔を直接拝する事は不敬ですので」
って、また心を読まれた!? いや、家のパーティー殆どのメンバーが俺の心読んでくるから、読まれること自体には忌避感は既にないんだがよ。
メンバー以外だと初めてか?
てか、“神子”て。いや、光教会的にはそうなんだろうけどもよ。それ言っちゃ、俺と同じ白子のラミアーもそうなるんじゃが?
ただ、彼女の様子を見てると、どうも、この神子って言葉がラミアーにはかかってないって気がする。別にラミアーが吸血鬼だからとかって理由ではなく。
そもそも、俺は侍女さんに白子である姿を見せた事はない。
基本、身体能力向上を途切れさす事なんざないからな。例外は深く眠ってる時だけだ。
そう言う訳で、そんな機会なんざ、俺が眠りこけていなきゃ無い訳だし、流石に他人が近くに寄ってきてれば、眠ってる最中だったとしても目が覚める。
なので、俺が白子だなんて事は知らないはずなんだ。
「何で神子よ」
「戦っておられる姿を見れば一目瞭然です。あれぞまさに暗黒の破壊神!!」
『【同意】良く分かってますね』
何だよ、暗黒の破壊神て!! どこぞの私生児か!! ってか、ファティマ! 同意すんなや!! いや、ジャンヌも……ジャンヌどころかラミアーもセフィも首を縦に振ってる……だとっ!! ティネッツエちゃんですら悩むレベルなんか!! いや、ティネッツエちゃんについては俺の噂の事もあったから、そこからのリカバリーだとすれば、マシになったんだろうけど!!
うん、ありがとうイブ、ミカ、バラキ。俺の癒しはお前らだけだ。寄り添ってくれる三人をそっと抱きしめる。
「高笑いをしながら魔物を追い詰め、蹂躙する様子は闘神の申し子だと、わたくしは確信いたしました!!」
“神子”ってそういう意味でか! てか、高笑いしながらって辺りで、何も言い訳できんかった!!
畜生!! 『こいつら! この裏切り者』とかって、思っちゃって御免なさい!! 自業自得だった!!
と言うか、『あんた、どこの神に仕えてんのよ!! 光の神じゃないんか!!』とか思ってたが、聖女さんに仕えてる侍女さんであって、別に神に仕える修道女さんって訳じゃなかったわ!! 当たり前に【光魔法】を使ってたから、勘違いしてたわ。




