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逃げる≫しかし回り込まれた?

 獣人王国に関わらないと決めたなら、これ以上滞在する様な必要もないし、逆恨みで絡まれても面倒なんで、早々にこの国から出る事にする。

 そもそも野宿も視野に入れてた訳だし、なら、これから移動しても構わんだろうさね。

 そう思ってイブたちに確認を取る。


「トール、様、の言う、通りに」

「別に良いよぉ~」

「わたしは、もう、この国には居たくないです」

『【受諾】マスターの望むとおりに』

『【了解】オッケーデス』

『べつに、いいんじゃないかな?』


 おおう、ちょっとティネッツエちゃんがトラウマ気味だ。


「アオン?」

「ワン!」


 うん、ミカにウリ、ちょっとティネッツエちゃんを慰めたって。それとイブはもうちょっと自分の考えを持った方が良くないかな?


『【修正】別に個体名【イブ】は自分の考えがないって訳じゃないデス。それ以上にオーナーの言を優先してるだけデス』


 ……それはそれで問題ないか?


『【進言】マスターが彼女の事を大切に思っている限り問題はありませんから』


 そういうもんかね?


『【肯定】はい』


 ミカとウリに抱き着くティネッツエちゃんを横目で見ながら、俺は、この国から出る準備をする為、消耗品や食糧品が売っている市場の方に足を向けた。


 ******


「ちょっと意味わからんのですが?」

「アオン?」

「むー!!」

『【嘆息】やれやれ、ですね』


 市場で買い出しをしている俺達を囲い込んでいるのは、獣人族の冒険者と思しき連中。ここまで来ると、本気でチンピラと変わらんやん。

 多分件の獣人リーダーの命令だと思うが、さっき、冒険者ギルドに居た連中とはまた違う顔ぶれなんで、あの場所での騒ぎを把握してなんだろうさ。


 買い物の量も量だし、二手に分かれて買い出しをしてたんだが、向こうは大丈夫かね? 手加減的な意味で。

 因みに向こうに居るのはラファとジャンヌとラミアーとセフィ。こいつ等、常識ある癖に、態々自分達の欲求優先してるように振舞うのがなぁ。まぁ、良いけど。ティネッツエちゃん及びミカとウリはケルブと一緒にキャンピングカーでお留守番。落ち込んでる様だったし、人ゴミの中、連れ歩くのもどうだろう? って思ったんで。


「おい! お前!! ヴォルフガングさんの面子を潰したんだってなぁ!! ただで済むと思ってんのかぁ!!」


 チンピラと変わらん処か、半グレかよって感じなんじゃが!? 何だよ『面子潰して、ただで済むと思うのか』って。


「そもそも、誰だよヴォルフガングって」

「お前!! しらばっくれてんじゃねぇぞぉ!!」


 いや、想像はつくけどさ、喧嘩売ってきたのは向こうで……って理屈は通用しねぇんだろうなぁ。面倒臭せぇ。だいたいヴォルフガングが誰なのか知らないってのも、嘘付いてる訳でも、しらばっくれてるってぇ訳でもねぇんだよな。あそこにいた連中、誰一人名乗ってねぇし。

 何だろうな、この『自分の言う事を聞かないやつが悪い』的な謎のヤンキー理論。歯向かうヤツは悪。みたいな。


 俺との実力差ってやつを知っていてこいつ等をけしかけたんだとすると、暴力を振ったかどで逮捕勾留て流れかね?

 だとすると、衛兵辺りにも仲間がいるのか賄賂を渡しているのか。


 ただの()()()()()の筈なんだがね、俺。まぁ、最初(はな)っから俺を冒険者だと断定してたみたいだけど……


 正直、あの獣人リーダーと、恐らく人間種の冒険者との間で何かあったんだろうが、その恨みをこっちにまで向けられてもなぁ。

 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとは言うけども。


 ただ、流石にここまでされると、ちょっとイラっとするよなぁ。


『【忠告】マスター、その嗤い方は、ちょっと怖いです』


 ほっとけや。

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