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バナナバナナバナナ時々生薬

 流石は熱帯気候。バナナがありやがる。

 前世でも栄養価が高く、安価で手に入る事もあって、人気のあった果物だが、家の大陸じゃ見かけない植物でもあった。なにせヴィヴィアンが『少なくともぉ、あたしは見た事がないですねぇ。文献と噂話では聞きますけどぉ』って言ってたくらいだし。

 お土産にしたら喜ぶかね? それとも薬効が高い訳じゃないから喜ばんか? どっちだ? あ、そう言えば、バナナの皮から薬が作れるとかって記事を前世で読んだ覚えがあるな? いや、その後、デマだったとかって言われてたんだったか? ちょっと記憶があやふやだな。覚えて居られる程、興味もなかったしなぁ……うん、お土産にするには危険かもしれん。見て見ぬふりをしよう。そうしよう。


『【追従】賢明な判断かと』

『【納得】君子危うきに近寄らず、デスゥ』

「ヴィヴィアンに対する土産にはしないが、買って食べてはみるぞ? 俺の知ってるソレと同じものだったら、甘くて美味しいし」


 俺のその言葉に、イブとティネッツエちゃんが超反応を返す。


「甘い!」

「美味しい!!」


 イブは意外でもなんでもなく甘いもの好きだし、ティネッツエちゃんは美味しいものがあると幸せそうだからなぁ。

 逆に食べる事は嗜好って事以上じゃないラミアーなんかは、とにかく食べるって行為が好きだから、美味しいに越した事はないけど、味そのものには執着はないっぽいんよね。


『いっかいたべれば、さいげんかのうだよ~』


 何でか『あ~ん』とか口を開いて、セフィがそう言った。何だよ、食べさせて貰いたいのか? だが、それは不可能だ!! 何故なら、両手は既にイブとティネッツエちゃんで塞がっちまってるからな!!


 てか、再現可能ってなんだよ。生やす事が出来るとかじゃなくて再現なのかよ。元の物とは違うのかよ。まぁ、食べてもらうことに異存はないんだがさ……あれ?


「もしかしなくても、スパイス類の“再現”も可能なのか?」

『できるよ~』


 ほほう? それは、実に興味深い。


「取り敢えず、おっちゃん!! この屋台で売ってるスパイス、全種類くれ!!」

「オウ!! ヨイヨ! ゼンブ、ウルヨ!! アナタヨイヒト!!」


 近くにあったスパイスを売ってる屋台のおっちゃんに声を掛け、スパイスを売って貰う。こっちも生薬なんだし、一部お土産って事で良いだろう。ヴィヴィアンの。


 その後、バナナも買って皆で食べてみたんだが……


「うん。覚えているバナナと同じ味だな」


 何だろうね? 収斂進化と言うには似通い過ぎる動植物。まぁ、一部例外があるけんども。いや、考えても答えは出んな。忘れよう時間の無駄だ。


『【嘆息】こういう時は、ちょっと疎外感がありますね』

『【同意】仕方ないデス。ボク達には“食べる”という機能は付いて無いのデス』


 まぁ、聖武器はなぁ。そもそもロボットだから、マスウィ~ンだから。


「ダラッダー?」


 ラミアー? いやまあ()()が頭を過った事に関しては否定しない。

 それは兎も角、アレだなプラーナに味とか付けられんのかね? バナナ味とかに出来れば、疎外感もなかろう。


『【困惑】い、いえマスター。バナナの味が気になったとか言うわけではなく』

『【苦笑】そもそもプラーナに味を付けるって発想が可笑しいデス』


 あれ? ディスられたよ?

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[一言] だーけどわかるぜー燃える忠誠心!
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