上京した田舎のヤンキー
……可愛い娘達が居るて、一番上でも10才程度にしか見えんのじゃが? いや、実際、何才なのかは分からんのが過半数を占めてるんだがさ!! 特に分け御霊とか分け御霊とか分け御霊とか!
だとしても、今現在の外見は幼女だからな!! てか、何なの!? こっちの世界のロリコン率の高さ!! いやまぁ、15才で一人前扱いって事を考えると、10才前後だって、前世の感覚的に言えば高校生位な感じなんかも知れんけど。
それでもまぁ、その位だったらまだ子供ではあるよなぁ。おじさんの感覚としちゃ。
いやいや、もしかしたら単にコイツ等が女に飢えたハングリーウルフなだけなのかもしれん。
もう、異性だったらロリでも老婆でも食っちまうぜ、みたいな。だとすると、娘さん達を強引に連れて来なかったのはナイスな判断だった、俺。
「なぁ、女の子だけで、こんな所に居たら、危ない奴等にちょっかい掛けられちゃうかもよ?」
「こう見えて、オレラ顔も効くし、力も有るんよ」
「そうそう、だから、オレ達に案内させて見な?」
色々とツッコミたいんじゃが!?
こんな欲望剥き出しのギラギラした瞳に晒されなんかしたら、あの娘さん達が、また引き籠る可能性だってあっただろうさ。い~や、引き籠るね、絶対。100ガ〇スかけても良い! ついでに花〇院の魂も!!
まぁ、観光地と化して、人やら屋台やらが結構多かった事も有って、娘さん達、ここまで来るのは辞退してたのよ。取り敢えず、滝の全容自体は、ここに来るまでで見れてたからってのも有るんだけどさ。
それでも、“見ただけ”ってぇのと“体感した”ってのは結構別物なんで、滝まで来ては貰いたかったってのは有るんだがね。それでも無理強いはせんよ。
『【確認】排除しますか? マスター』
ニヤニヤとこっちを見ながら勝手な事を言ってる男達の言葉を聞き流してたら、ファティマがそう聞いて来た。
いや、排除て。まだ声かけられただけで何かされたってぇ訳じゃねぇんだからさ。まぁ、指一本でも出そうとしやがったら容赦はせんけんどもよ。
『【了解】分かりました』
『【了承】オッケーデス』
そう言って、聖武器の二人が一歩前に出ると、犬達も俺達の前へと出て男達を威嚇する。
「な~に、警戒しちゃってるかな?」
「そうそう、オレラ、優しいよ?」
「昼も夜もな!」
……俺的には、既にギルティーにして良いかなって気に成って来たわ。てか、コイツ等、周囲の観光客が訝しげに見てるってのには気が付かんのじゃろか?
何だろうな? この『修学旅行で都会に出て来た田舎のイキったヤンキー』感。
正直、巻き込まれてるのが既に迷惑。だが、俺も常識ある大人だ。ただ声をかけてるだけの野郎に即座に手を出す程浅はかじゃぁない。いや、俺6才児だわ。まぁ、だが、それは置いといて。
「いや、そう言うの間に合ってんだわ。取り敢えず要らんから、別の輩に声をかけてくれ」
俺がそう言うと、男達の1人が眉根を寄せた。
「はぁ? 何だよ、お前男かよ」
男だよ。だから何だよ。
「紛らわしいガキだなぁ、その娘達置いて、とっとと消えろや!」
「おいおい、あんだけ可愛いんだったら男でも良いだろう?」
「お~い、オマエ、それオマエの悪い癖だぞ?」
「もしかするとハスキーな声の美少女だってセンもあんだろう?」
ねぇよ、そんな世界線。流石に鬱陶しく成って来たわ。とかって溜息を吐いてたら、背後から偉いプレッシャーが。
視線を向けると、イブさんが轟轟と魔力を放出してはったんですが!?
……うわぁ、久しぶりだな、これ。




