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初心わするるべからず

「ヘーゲンバッハはダンジョンの事は知ってるんだよな?」

「サー、イエス、サー!!」


 ゴーレムってかドローンについては、材料持ち込めばロボ監督が作ってはくれそうではあるが、その、材料集めがなぁ。

 あの時はティネッツエちゃんに【探索】して貰って、カブリと俺とで土掘ってレアメタル集めたからな。

 ちょっと今、同じ事をやる時間がないってか、旅を優先したい。


 『行って来るぞ』と、勇ましく旅立ったのが3ヶ月前。それだけの時間をかけてまだ2つしか大きめの都市に行ってないからなぁ。

 俺だって無限に時間が有る訳じゃない。限られた時間の中で、出来るだけ情報を集めたいんよね。


『【進言】普通、たった三ヶ月でダンジョンの最下層迄行ったり、2つも主要な都市など回れないものなのですが』

「え、そうなの?」

『【肯定】普通は隣の村まででも一日掛かりって事もざらなのデス。オーナーは自分達の移動速度が可笑しい自覚をしないとダメなのデス』


 ……そうか、そう言えば前世の感覚での移動速度で居たが、普通は徒歩だし、馬車の方もそれ程スピードは出さんもんな。それこそ、護衛の人間が隣で歩けるくらいの速さしか。

 そう考えると、常時60km/h位で走ってるキャンピングカーは異常な速度って事になる。確か普通、徒歩スピードの平均は4km/hだったか? この世界は健脚な人間が多いから、多少はそれより早いかもしれんが、それでも6、7km/h位だろう。そう考えれば、俺達の移動速度は馬鹿みたいに早い事になる。


 それに、通常遺跡(ダンジョン)の最下層迄行くのなんか、数ヶ月計画だったわ。もっともあれは、全ての部屋を確認するってのも有るから、一概に(イコール)で結べるもんでもないんだが、それでもかなりの速度で攻略はしているな。


「トール、様?」


 考え込んでいた俺の顔をイブが不思議そうに覗き込む。澄んだ、とび色の瞳。一度絶望を孕んだにも拘らず、それを乗り越え明るさを取り戻し、そして、つい数か月前に、俺と旅に出れると喜色の浮かんだばっかりの、強い視線。そうだったな。俺()こっちに冒険を()()()()に来たんだったわ。皆と、な。

 ちょっと面倒事が重なった事も有って、仕事をする事に逃避する所だった。確かに、自分の所のダンジョンの確認の為でもあるが、俺の知らない大陸での冒険を楽しむってつもりだったっけか。完全に忘れる所だった。


 このトール!! 冒険の中で冒険を忘れた!! イブのおかげで思い出せたわ。そう思い、何と無くイブの頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細めた。


 楽しんで旅して、出来る事を出来る限りやる。それで良いんだな。強迫観念に捕らわれるかの様に、気が逸ってた。いかんいかん。今を楽しまねば。

 とは言え、ほぼトンボ帰りな感じでダンジョンに行くのもどうかと思うんで、少々、この辺りでレアメタルが出るか、試してみるか。


「ダンボース、この辺りで採掘とかすると問題になるか?」

「は!! 基本鉱物を()()のであれば、自分の購入した土地でない限り、国の許可が必要となります!!」


 まぁ、そうだよな。鉱物資源ってのは、つまりは軍事物資に成り得るものだ。それを掘るって事はどうしたって許可が要る。それこそ、その土地を購入でもしない限りは。


「ですが!! この辺りはがけ崩れ等で、露天に鉱石が()()()()()()事も有り、それを()()場合には、許可を必要としません!!」

「ほう?」


 成程? 確かに拾ったものにまでは許可なんざ必要ないだろうさね。つまりは、拾ってくれば問題ないってこった。


「よし、じゃぁ、ちょっくら散歩でも行こうか。()()()

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