さらばダンジョンよ
慣れないPCの為に投稿が遅れてしまいました。
申し訳ない。
ここの遺跡の増築は、基本、新造ゴーレムによる人海戦術なんな。
防衛用やらエネミー用やらにって事で、ゴーレムそのものは未だに製造が続けられていて、そう言ったゴーレムの材料確保の為にも、掘削は必須なんで、増築はその副産物的な物でもあるらしい。
ただ、ダンジョン内で確保できない物については、美術品型のゴーレムに偽装を施して買い付けて来るんだそうな。
さっき、イブたちが飲食してたお茶やお菓子とかみたいに。もっとも、あれは材料だけ購入してきて内部で作った物らしいが。何げに高性能だよなここのゴーレム。
それはさて置き、ここのダンジョン、未だかつて最下層にまで足を踏み入れたのは俺達以外は居ないらしいだわ。
ジャンヌが当たり前の様にパスワードをクリアーして行ってたけど、実際には4桁の数字の組み合わせだったとしても1万通りの組み合わせがあって、それをノーヒントで当てる何て事は、至難の業な訳だ。
実際、ダンジョン浅部のパスワードは、先人の努力で、タッチパネル付近に刻まれていたり、自分達のパーティーだけに分かる様な暗号に成っていたりしている。
まぁ、それは兎も角、実際に冒険者が入れる区画以外にも、裏方用の区画ってのが有って、ダンジョン自体は、見せかけのソレよりも大分規模がデカいんだわ。
ゴーレムは一応、既存のゴーレムの作動プログラムを積んであるらしいんだが、それを経験値に落とし込む為にまずは単純労働になる地下採掘をさせ、その次に建築を熟させた後、各部署に回すらしい。
そうやって、経験を積ませる事で、プログラム的な根幹が同じだったとしても、自己と他者を区別させ、それで自己矛盾を解消してるんだとか。まぁ、その辺の細かい所は俺には良く分からんが。
そうすると、聖武器の基本人格が共通じゃないかって言う、かつての俺の予測もあながち的外れじゃないのかもしれない。
まぁ、何をごちゃごちゃ言ってるかと言えば、あんまり、家の領地だと手本に出来んなって事な訳だ。そもそも、ゴーレムって時点で酸素濃度とか地下ガスとかって事は念頭に置かなくて良いし、換気システムについては、対冒険者用のダミーダンジョン制作時に、魔道式の送風装置を接続しているらしいんだわ。
俺達が最奥まで行っても平気だったのは、未だかつて誰も到達はしてなかったとしても、謁見の間があるフロアには換気システムが通っているかららしい。
もっとも、酸素濃度やらガスやらが拙い場所に、ファティマ達が俺を連れて来るとは思えんのだがね。
そんな事を考えていた俺の所にロボ監督が来ると、頭を下げた。
『色々と助力いただいたのに、お役に立てなくて残念です』
「やり方が違いすぎるってだけで、全く参考に成らなかったって訳じゃ無いから大丈夫だ」
送風装置の使い方とかな。家の方だと魔道式にする事は出来ないが、常に流れてる水を動力にする事は出来るだろうし、それを使って送風機を動かす事も出来るだろう。前みたいに犬達を動力にしなくてもな。あれはあれで楽しそうだったから、やりたそうだったらやらせてみるが。
「じゃ、そろそろお暇するか」
「ん!」
「……」
「ワン!」
「アンアン!」
「アオン!」
「ワンワン!」
『【了解】分かりました。マスター』
『【了承】オッケーデス。オーナー』
「ふわぁ、たのしかったです」
見学すべき所は見たんで、ダンジョンから引き上げる事にした。まだ、この辺りで見てない所もあるしな。
『また、遊びに来てください。歓迎しますんで。あ、次回からは入ってすぐにサポートドロイドが迎えに行きますから、スタッフ通路から入ってきてくださいね』
ダンジョンに遊びにってのも随分なパワーワードだよなぁ。まぁ、この周辺探索した後は、もう一回寄らせてもらうつもりでいるけどさ。




