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アイディア出しを開始する

『アイディアを頂きたいのです』

「アイディア?」

『はい。流石に700年近くトラップを作り続けていると新しい物が出来なくて……』


 うん、そりゃそうだろう。

 ロボ監督が名前つけの代わりに提案してきたのが、トラップのアイディアな訳だが。これ、最初っからこっちが本命だったんだろうな。やけにあっさり引いたし。

 だがね、正直言って、トラップにそれ程造詣が深いって訳じゃないんよ。特にこう言う時間経過で構造が変化する系の遺跡(ダンジョン)って、何フロアかに跨る様なギミックって使いづらいし。『このフロアでこのスイッチ押しとくと、次のフロアで扉が開いてる』とかさ。


「って事なんだけど、何かアイディアある?」

「ワンワン!!」

「アオン?」

「ワオンワオン!」

「ワン?」


 うん、分からん。絆は深いはずなんだがなぁ。流石に言語化までは行ってない様だな。


「ん、一網打尽?」

「トラバサミ、怖いよ?」


 イブさんや、それ、まったく具体性が無いんですが? ラミアーは具体的すぎるんだけど、それって昔掛かった事があるって話じゃないよね?


『【感想】取り敢えず全てのエネミーやら扉やらがスタンドアローンなのは良いのですが、今回はそのせいで我々の接近に気が付かなかったのですから、その辺は修正した方が良いかと』

『【意見】ほとんどの扉がパスワード方式なのがいただけないデス。結局、1~0までの10個の数字の組み合わせで回答が出てしまうのデス。もっと記号なども組み合わせた方が良いと思うのデス』


 聖武器達の話を聞いて、ロボ監督が腕を組んで悩まし気に唸り声を上げる。


『一応のルールとして、パスワードなどは“どんなに難しくても解けなければいけない”んですよ。まぁ、侵入者に関しては、入口と最終フロアに鳴子を付けておこうかとは思いますが』

「それなら、いっその事、“解除されると警報が届く”って仕様にしておけば分かり易いんじゃないかね?」


 俺の言葉に『ああ、そう言うのも良いですね』とロボ監督は言った。


「ふえぇ、ごめんなさい……なにもおもいつかないです……」


 うん。ティネッツエちゃんは、トラップとかギミックとかはちょっとまだ早いかな? 『大丈夫。気にしないで』と言って頭を撫でておく。


 取り敢えず、現状、電子的な装置ばかりな気がするんで、もう少しアナログ的なトラップも増やしても良いと思うんよね。

 そう言うと、ロボ監督が悩まし気に顎に指をやる。


『アナログ式ですかぁ、あれって、メンテナンスが大変なんですよねぇ』

「そんな理由かよ」

『いえいえ、魔道式トラップに比べると、装置も大掛かりになりますし、移動もブロック毎になるんで、色々大変なんですよ』


 魔道式? 電子機器じゃなかったんだ。当たり前か。そう言や、あの搭乗型ロボも装甲はファンタジー物質だったっけか。

 まぁ、それは今は置いておこう。


「釣り天井とか、定番だけどどうなの?」

『それは既に設置済みです』


 うん? あったのか。いや、家は全部解除しつつ来てるから、その内のどれかだったんだろう。


「う~ん。トラップ知識は乏しいから、俺だと役に立たんかもしれんな」

『良いんです、取り敢えず何か思いついたら言って貰えれば、吟味はこっちでしますし。所謂ブレインストーミングってやつで』


 つまりは制限なく思った事を話し合えば良いって事か。まぁ、そのくらいなら出来るか。


『【思案】扉の解錠を複数のアイテムが無いと行えなくすると言うのはどうでしょう』

「あぁ、それなら複数の階層に跨ってても使えるな」

『成程、それは良いかもしれません』

『【提案】アスレチックタイプにするのはどうデス?』

『ほうほう、具体的には?』

「アスレチックの定番だと……」


 ******


『成程、色々とアイディアを有難う御座いました。応用などを考えれば、後10年は戦えそうです』


 聖武器達のアーカイブ知識なんかも手伝って結構なアイディアが出たようだわ。いや、俺も2名で協力しないと進めないギミックとか、色々アイディアは出したよ? 圧倒的に聖武器達には劣るってだけで。

 ただ、基本、俺のトラップてか、ギミック知識は前世の、それもゲームのそれなんで、俺のアイディアだけまとめると、いかにもゲームっぽい感じになるのがなぁ。その辺はロボ監督が上手い様にやってくれることを期待しとこう。


 ちなみに、犬達やイブ、ラミア―とティネッツエちゃんは流石にあれ以上のトラップのアイディア出しとかは出来んかったから、謁見の間で遊んでて貰った。

 例のゴーレム達がボードゲーム持ってきたり、お茶やお菓子を持ってきてくれたりと、結構な待遇の良さだったっぽい。いや、犬達は未だ片付けてない杭打機で出来た瓦礫何かを飛び回ってるがね。


 何か企画会議じみたアイディア出しと、優雅な午後のティータイム……てか、子供会のリクリエーションって感じで温度差がね。


 あー、俺も向こうに交じりたかったわ。

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