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ラスボス?

 シルクを使った赤のドレスにビロードのマント。白金と黄金の装飾を纏い、白い仮面をつけたロボ監督さんが、女騎士型の美術品タイプのゴーレムを伴って壇上袖から現れた。何だろね? 正体を隠す為かな? あの仮面。素顔とあんま変わらんのだが。

 ロボ監督さんの登場に伴い、俺達の背後のでっかい扉が開き、黒い甲冑を纏ったゴーレムが列をなして入って来る。


 件の豪奢な椅子に腰を下ろしたロボ監督さん、先程見たのと同じ様に手を翳す。


『フハハハハハ!! よく来たな冒険者の諸君!! この私こそが、このダンジョンを(あずか)るボスである!!』


 うん、その(くだり)もうやったからな?


 ******


『ふむ、それで遺跡(ダンジョン)拡張の様子を見学しに来たと?』


 今後自分の領の街を拡張する事があった時の為に、地下施設の増築を他の人間ってか、ここはゴーレムなんだろうけど、どうやっているのかを見たいんで見学しに来たって事を話したんだが、疑われるよな、やっぱり。


『言ってくれれば、見学くらい許可したのに……なんで私は辱めを……』


 あ、違った、羞恥心再びだった。


「うん、何かごめん」


 いや、だとしても、どうやったら渡りをつけられたのか、分からんのだが?


『【愚問】フッ、全てのトラップは分からない様に解除してきましたので』

『【当然】呼び鈴(アラーム)があったとしても気付ける訳がないデス!!』


 【アラーム】って、モンスターを集めるってぇ罠だよな? あー成程、ここがゴーレム達の棲み処だってんなら、呼び鈴が鳴ればお客さんだって思って集まってくるよな。

 その時に要件を告げれば、平和裏に見学でも何でもできた、と。


「モンスターが大量に向かってきたら! 普通!! 迎撃するか逃げるかするわぁ!!」


 誰も要件告げようとか思わんのじゃああぁぁ!!!!


 てか、おまいら!! 【アラーム】がそう言う仕組みだって知ってたなら、言ってくれ!! マジで!!


『【愚問】セキュリティーに穴が有れば、ハッキングして知らしめてやるのが真のハッカーと言う物デス!!』


 何だその価値観!! てか、普通に教えてやれ!?


「な、なるほど!」

「ティネッツエちゃん、それ、真に受ちゃダメだからね?」


 主に倫理的に!


『【反論】しかしマスター。人の(ダンジョン)に押し入って財産強奪してる時点で倫理も何もないのでは?』


 確かに!!


『いえ、放置されて何百年も経っている空き家に興味本位で入ってみるなんて、よくある事だと思いますよ? 特に国の許可とか有れば』


 思ってたより大人の対応だった!! いや、まぁ確かにそうなんだろうが。ダンジョン側からすれば冒険者って、そんな感じか。


『第一、私の与ってるダンジョンは人を内部に誘い込むのも仕事の内なので』

「そうなのか?」

『セキュリティーやトラップの検証施設ですから』


 ああ、そりゃ、内部に人を引き込まにゃ成立せんわ。


『そう言う事なので、見学は構わないんですが、その代わり、ちょっとお手伝いして貰いたい事も有ります』

「まぁ、見学をお願いするのはこっちなんだから、出来る事なら手伝うぞ?」


 俺がそう言うと、ロボ監督がユラリと立ちあがった。


『有難う御座います。中々ここまで来られる冒険者が居なかったんで、出来なかったんですよ、()()()()()


 彼女の背後の壁が開き、そこから人型の巨大なシルエットが浮かび上がる。


『お付き合い下さい? 私の最高傑作!! 『ロドス』の性能試験に!!』


 全長6m程の青銅製に見える巨人像。その胸部が開き、ロボ監督が、そこに乗り込む。いや、聖武器達から聞いてたさ、搭乗型のロボットの話は! だけど、まさかこんな所で相まみえる事に成るとは思わなんだわ!!

 しかし、二足歩行のソレが目の前に有る。これはちょっと血沸き肉躍るなっ!!


「いやほんと、こりゃぁ、趣味の世界だ」

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― 新着の感想 ―
[良い点] とうとう出ちゃった搭乗型ロボット!
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