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鍵開けをしてみる

『【説明】この手の暗証番号型は、端末からの侵入(ハッキング)対策として独立型(スタンドアローン)に成っている場合が多いデス。その上、入力には回数制限がある場合が多いので、端から番号を入れて見ると言うのはお勧めできないデス。入力が可能な端末はつまり、そこからのプログラムに干渉できるデスから、そっから負荷をかけてエラー吐かせるなり、ウイルス仕込むなり、いくらでも手は有るのデス。基本、動力での開閉をしてるデスから、そこが止まってしまえば、手動で動かす事も出来る様に成るデス。ボクのお勧めは型式番号から脆弱性を導き出してのハッキングからの支配下に置くって手段デス。この時にバックドアを仕込んでおけば、その後は何処に移動してたとしても簡単に入り込めるように成るデス』


 なんかもう、話を聞いている限り、前世のソレと同じなんじゃが!? いや、俺はハッキングとかできんかったんだけんどもよ。

 そもそもタッチパネルの時点で、この世界の人間は付いて行けるんか?


『【推測】それなりに遺跡や文献も残ってますし、国が管理してある場合、考古学の専門家が作業を行うと思いますから、問題はないかと』


 ああ、考古学って(そういう)話に成るんか。確かに魔神族国(エリスんとこ)は専門家が完全に分担して、それぞれの作業してたわ。


「はい!! げんかいのかいすうまでまちがったら、どうなるんですか?」

『【回答】間違わなけりゃいいだけデス。気にするだけ無駄なのデス』

「ふぇ……」

「言い方!! 多分今のはティネッツエちゃんに暴言を吐いてんじゃなくて、『限界回数まで間違う事を気にするより、正しく突破する事を考えるべきだ』って言いたかったんだよ、きっと、な?」

『【何故】え? デス?』

「な!!」

『【肯定】デスデス!』


 本当に、コイツ等自分達の規定に満たん奴等には辛らつだな!! ティネッツエちゃん、まだ4歳よ!! 俺等と同レベルで物知ってる訳ないじゃろが!!

 てか、俺は前世持ち(チート)だし、イブはマジモンの天才だし、ラミアーに至っては魔物の上、数百歳なんだからね!!

 一般幼女を比べたらダメなんよ!! いや、ティネッツエちゃんも努力とかの才能はあるし、発展途上なんだから、少しは大目に見てやんなさい!


『【了解】オーナーが、そう言うならデス』


 ……いや、ふと思ったんだが、この遺跡(ダンジョン)の端末、有線でないなら、ティネッツエちゃんの能力で干渉できそうな気がするんだよな。


『【成程】確かにそれは『やってみる価値ありますぜ』ですね、マスター。個体名【ジャンヌ】はどう思いますか?』

『【納得】確かにそれは出来そうな気がするデス。さっそく試してみるデス。個体名【ティネッツエ】』

「ふぇ?」


 ******


 右手をジャンヌの頭に乗せたまま、ティネッツエちゃんが左手をタッチパネルの方に翳す。暫くすると、目の前の扉のタッチパネルが勝手に動き、暗証番号が入力される。

 その途端にウィ―――ンと言うモーター音と共に、目も前の扉が開いた。


「おおーー」

「すごい、ね」

「うむ!」

『【称賛】お見事デス! しかあし!! それもボクの解析能力があってこそだと釘をさしておくデス!! ウィザート級と呼ぶには、まだまだ理解が足りないデス!!』

「が、がんばります!!」


 俺の予想通り、ティネッツエちゃんはこう言った電波やらに干渉で来た訳だ。いや、生身で鉱石ラジオの電波に干渉できるんだから、出来るだろうとは思ったんだがね。


「その……」

「うん?」


 俺が感心してると、ティネッツエちゃんが、おずおずと話し掛けて来た。ジャンヌの演算能力の助けがあったって言うか、ティネッツエちゃんを仲介して、ジャンヌがハッキングをかましたって方が正しいんだろうが、それでも凄い事なのは違いないんと思うんだがね。それをやり遂げた彼女の表情はちょっと暗い。


「いっぱい、じかんがかかって……」

「気にするな、こう言った事を試すってのも、ここに来た理由の一つでもあるんだからな」


 結局、ティネッツエちゃんがパネルに同期する為に、丸々一日の時間が掛った。さっき確認して来たんだが、ダンジョンの中の改変が済んでいて、来た道が分からねぇって状態にはなってたがね。

 どうやら、人がいる部屋なんかは移動しないらしい。

 そう言う事が分かったってだけでも収穫ではあるし、どの道、急いで脱出しようとかって訳でもないんだから、別に変ってても構わない。日数がかかるなんて事は織り込み済みだし、そもそも最奥を目指してる訳だしな。


「それよりも、ティネッツエちゃんが居れば、扉で一々、時間を食わなくて良いって事の方が有難いよ」

「とーるさま……ありがとうございます!!」

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