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新たな旅路

 ラミアーの居た遺跡(ダンジョン)は、様々な魔物を保護する為の物。だったらしいが、長年放置された事も有って、自己保全の為の自己改造の所為で謎仕様へと変貌してた訳だが。

 軽く調べてみた結果、何ヶ所かへと転移出来るってのは分かっていた訳だ。

 もっとも、その後は忙しくてその確認も出来て無かった訳だけどな。


 まぁ、この街の都市計画にはダンジョンのエネルギーを使わせて貰ってるんで、現状でも充分役に立ってる訳だけど、まだ、その全容を把握してるとは言い難い。

 そもそも、このダンジョンは、カヴァーストーリーで俺が修行してたって設定にしてる訳だから、内部を把握して無いと可笑しい事に成る。


 なんで、この機会にそれもやっちまおうって訳だ。


 と言う訳で、眼前には漆黒の光球。まぁ“扉”と言われる転移ゲートだな。


 今回は何時ものメンバー。ミカにバラキ、ウリとガブリ。イブとファティマにジャンヌ。それに加えてラミアーと、一緒に冒険するって約束もしたティネッツエちゃん。


 悪いがラファとセアルティはお留守番。騎士団の狼達の統率をして貰わんといけんからな。


 そしてケルブ&オファニム。

 特にオファニムは俺の身体が大きくなった事も有って、ちょっとばかし改修された。サイズもそうだが、さらに俺好みの外見に。ケルブの方はいつも通りだけどな。

 その上オニューのキャンピングカー。サイズを大きくしたのもあるが、ソファーを全部倒すとキングサイズベッドに成るように改修。二階に全員で寝るとか、潰れかねんからな。

 いや、俺はもう別々に寝ようと提案したんじゃが、全員一致で否定されたんよ。マトスンに『愛されてますねぇ先生』とか意味深な笑いと共に言われたんで、吊り天井の刑にしといた。6才児に何言ってんだこの紙一重。


 件のダンジョン。希少生物とか運び込んでるし、触手シリンダーとかの一件もあったから、有るんだろうなぁとか思ってたが、やっぱりあったわ搬入用通路。

 偽装はしてあったけど、ウィザートでもあるジャンヌがハッキングして支配下に置いている関係で、あっさり解放。そっからケルブ&キャンピングカーを内部へ。


『【質問】どこに行きたいデス? オーナー』

「遠い所」


 どうせ冒険に出るんだ。なるべく見知った場所じゃない所とかの方が良い。そう思って指定した訳なんだが、どうやらここから行ける一番遠い場所ってのが別の大陸らしいんだわ。


「……そこって言語的には大丈夫なんか?」

『【説明】言語的には問題が無いかと。私達の居た時代とは言語体系は違う様ですが、今の世界では今の世界で共通語となる言語がメインとして有り、地方によって多少のバリエーションこそある様ですが、大体が同じ言葉で話している様です』

『【興味】とっても興味深いのデス。これは場所場所で独自に言語が発達したと言う訳ではなく、単一民族が散らばって、世界の礎に成ったと言う事かも知れないのデス』


 ……その辺りの事、おまいらの方が良く知ってんじゃねぇの?


『【解説】ボク達が宝物庫に閉じ込められた後の世界の様子は情報収集出来て無かったのデス。そもそも()()された時はすでに言語が違っていたのデス』


 ああ、そう言えば、コイツ等も発掘兵器だったんだっけか。まぁ、閉じ込められて情報の収集が出来ていなかったのなら、知り様も無いか。


 ともあれ、新大陸ね。いや、多分人は住んでいるとは思うから“新”って事はないんだろうが。良いね、このワクワク感。冒険って感じで。


 もっとも、こやって態々調べに行くのは、“扉”の向こう側がどんな様子なのかを確認する為でもある。

 数百年、ここに立ち入った者がいない訳だから、早々無いだろうが、向こう側の“扉”の場所や使い方を知っている者が居ないとも限らない。

 それに“扉”の向こうの事情によっては、突然、このダンジョンに転移してくる可能性だってない訳じゃないからな。


 そう言った不安要素をなくす為にも、この調査は必要な訳だ。と、理論武装をしたから、さて、そろそろ出発しましょうかね。イブとラミアーも心なしかワクワクしてる様な感じだし、ミカとバラキも嬉しそうだ。ファティマとジャンヌも楽しそうだし、何よりティネッツエちゃんが目を輝かせている。


 そう言えば、彼女は“扉”は初めてか。いや、俺も言うほど慣れてる訳じゃないが。俺は、キャンピングカーの御者台に座り、内部に続く扉をチラリと見る。足元にミカとバラキが蹲り、右隣にイブが座ると、ラミアーが後ろから抱きついて、俺の頭に顎を乗せた。


「それじゃぁ行こうか」

「ん!」

「……うん」

「ワンワン!!」

「アオン!!」

『【了解】気を抜かず行きましょう』

『【了承】デス!!』

「が、頑張り、ます!!」


 皆の元気な返事を聞きながら、俺は手綱にプラーナを送り込み、ケルブを“扉”へと向けて歩みを進ませた。

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