まぁ、そうなるわな
【眠り】の魔法で寝てたジャンバルディー君だけどさ、エライ甲高い鼾をかいてたかと思ったら、唐突に止まるとかやってたけど、あれって大丈夫なんかね?
前世で読んでた成人病とかの本に、ああ言う鼾のかきかたって拙い様な事書いてあったけど。てか、あの年で成人病の兆候出かかってるって、ヤバいと思うんじゃが?
まぁ、健康管理なんかも向こうのお家の仕事だから俺には関係ないんだけどさ。うん。関係なかった。
「……」
「……」
「……」
「へっへっへっへっへ……」
「く~ん……」
むしろ今、俺の置かれてる状況的にアレなのは、引っ付いたまま離れてくれない5人(三人と2頭)の方だよなぁ。
そして聖武器達二人も俺の近くで離れず待機していると言う。
どうしてこうなったとは言わない。むしろ必然だろうさ。だって拉致召喚されたんだもの。だとしてもこの状態だと執務が遣り辛いんじゃが? 左右にイブとラミアー、足元にミカとバラキ。そしてそんな俺を抱きかかえる第二夫人。
ある意味鉄壁の布陣だけんどもさ。
「別に出て行けとは言わんが、せめて離れてくれませんかね?」
「そんな!!」
「むう!!」
「や!」
「アオン?」
「く~ん……」
『【理解】まぁ、無理も無いかと愚考いたします』
『【提案】次が有ればボク達も巻き込まれていっしょに行ける様に対策しとくデス?』
全員から速攻否定を喰らいましたが? いや、理解はできるねんで? 理解は。多分また同じ様に召喚とかされるのを恐れての事だって事は。
ただなぁ、そもそも召喚されたのは公爵家令息君であって、俺は巻き込まれただけだし、そもそもあんなんで召喚される確率とかすっごい低いと思うんだ。
「いや、ジャンヌに対魔法具も作って貰ったしさ」
そう言って、指輪と腕輪をジャラリと見せる。うん。何か指五本全部に指輪と、ごっつい腕輪が、そして何故か、チェーンで指輪と腕輪がそれぞれ繋がれてんの。指輪の方には、ミッチリとルーン文字みたいなんが刻まれてるし、腕輪の方にはでっかい宝石がね。
なんかもう厨二病感満載で、恥ずか死しそうだわ。
ただ、指輪の方は、召喚だけじゃなく強制転移やらマーキング対策の物も含まれてるらしいし、腕輪の方はプラーナを魔力に変換する為の物らしい。うん。俺、魔力使えないからな。
なんで、これらはセットで運用しないと意味がないんだとか。えっと、あれだ、鬱陶しくて対魔法具を外したジャンバルディー君の気持ちがちょっと分かったり分からなかったり。
「でも……」
「むう……」
「……」
「アオン?」
「く~ん……」
いや、だから、それでも心配だってのは分からんでも無いから、くっついたままにしてるんだけどさ。ぶっちゃけこのままだと今日のノルマが終わらなさそうなんよ。
今夜せっかくの誕生パーティーなんだからさ、後顧の憂いなく楽しみたいじゃんかねぇ。
それに、同じ感じで召喚されたとしたら、引っ付いてても、巻き込まれて召喚って感じには成らんと思うんよね。
特に今回、DNA情報を元に召喚したみたいだし。
って、言っても納得なんざしなさそうなんよなぁ。
仕方ない、このまま納得するまで、好きな様にさせとくしかないか。




