オックス来る
色々バタバタとしていた所為で今回短いです。
BUMOOOOOOOO!!!!
強キャラっポイ雄叫びに、兵士、冒険者連中が硬直する。
ほらぁ、だから言ったじゃん!! それフラグだって!! いや、口には出さなかったか? まぁ良いや。
牛の魔物ね、有名所だとミノタウロス何だろうが、コイツは角が四つある以外は普通の牡牛に見えるんだがな。もっとも、大きさだけ見れば到底普通のとは言えない大きさだがね。邪竜程じゃないが“小山の様な”ってぇ形容詞がふさわしい大きさだ。
血走った目と踏み鳴らすだけで地鳴りのする巨躯。おいおい、コイツが体当たりなんぞしてきた日にゃぁ、後ろの防壁なんだ一発でオシャカだぞ?
前足で土を蹴る様子に、『拙い』と感じる。全力で脇をすり抜ける為に指からのレーザーで牽制するも全く意に介した様子もない。うわぁ、このレベルに成ると、レーザーが牽制にもならんのかよ。
いや、それ以前に貫通力はある筈のレーザーが全く通ってない!?
どういう皮膚の強さだよ。
「聖弓!、お前なら化け物に矢は通るか?」
『【思案】通常攻撃ですと難しいかもしれませんわ。ですが……』
「分かった。出来る限り注いでやる。兎に角気を惹け」
『【了解】分かりましたわ』
言うが早いか、俺は、今の極限まで濃く凝縮したプラーナを聖弓に注ぎ込む。
『【悲鳴】くう!!』
ドロリとしたソレが注ぎ込まれる度に、聖弓の白い表面装甲が黒く染まり、次第に俺の鼓動と呼応するかの様に脈打ち、ひび割れ、その部分がオファニムのスリットと同様に赤光を放ち始める。
「もうギリギリだ!! 撃つぞ!!」
『【了解】どうぞ!!』
走り込んでいた事で縮まった彼我の距離は、既に正面数メートルと言った所。俺は即射で、エネルギーボルトを牡牛の顔面にぶち込んだ。
ドッゴオオォォォォォォォ!!!!
轟音を響かせ、まるで火球と化した赤く染まったエネルギーボルトが、牡牛の顔にぶち当たる。
「マジか」
多少のダメージこそあるものの、牡牛は踏ん張った状態でそこに健在していた。だが、こっちに気は引けたらしい。血走った目は、確かに俺を映している。
ならば、上々だ。
俺は再び右手を【エクステンド】で刃と化すと、通り過ぎ様に牡牛を切りつけた。がっ……
「浅い!!」
『【訂正】表面が固すぎて刃が通って無いのですわ!!』
多少の傷は出来たが、致命傷とは程遠い傷に俺が唖然とすると、聖弓がそれを訂正する。




