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お話しするよ?

 結局は既得権利の問題なんよね。新道が出来た所為で商店街が寂れたなんて話は前世でも良く聞く話だった訳で。ただし、そう言う所でもラーメン屋だけは流行ってたりするって言うね。

 結局は人を引き付けられる程の魅力のある街造りが出来ているかどうかなんよ。

 とは言ってはみるが、それが簡単にできる様ならこんな困った事にゃなって無いって話でな。


 魔人族国からの直通の街道が出来るからって事で、廃れっちまう可能性のある街道筋の領は今更ながらに慌てた訳だ。

 何せ、今までは商人やら冒険者やら巡礼者やらが通るだけで潤っていたのが、何らかの産業を興したり、旅人を引き込む努力をしなくちゃ収益が減る可能性がある訳なんだからな。


 これで産業がある領地はまだ良い方で、そんな物が無い場所の領主は頭を抱える羽目になった訳だ。それでやっているのがネガティブキャンペーンて。確かに、何か新しい試みがあった場合にマイナスイメージが着くってのは致命傷に成り得るんだがね。他者の足を引っ張るってのは一番簡単で効果のある方法ではあるが、何の生産性も無い阿呆な方法でもある。


 彼等がやってたのが“俺”と言う人物の悪いうわさを流し、俺や家の領に対して協力させないようにしようって工作。

 『今回はこんな功績を出しましたが実は』とか『随分と羽振りが良い様に見えますが本当は』とかってのをあちこちでコソコソと。あっちこっちで陰口を叩きまくって、俺に対するイメージを悪くした後『だから、協力するのは止めましょう』的な感じに持って行きたいらしい。

 まぁ、俺が成り上がりだってのは確かなんで、それを否定はできないんだが、俺がオーナーのエクスシーア商会なんかは国内外に流通網を持ってるし、そもそも街自体が大森林内だって言う事で、自給自足が可能なような街造りを目指してるから、実はそんな事をされた所で痛くも痒くも無かったりするんだわ。


 それ所か、商会で扱ってる商品が出回らなく成れば、困るのはむしろ国内の貴族だって言うね。前に似た様な感じで家に圧力かけて来た貴族とか居た訳だが、それがどんな目にあったのか知らんのかね?


 別に“大掃除再び”ってな感じで追い詰めても良いんだが……これね、実は俺の方に非が無い訳でもない。

 俺の非って言うか、()()()()()()がって事に成るのか。いや、要は俺の街の建造が早すぎて、周囲の領地から根回し工作をする暇を与えられんかったって事が問題だった訳だな。


 普通なら、『街を新しく作るって話だ』『それに付随して新しい街道が出来るらしいぞ』『どうやら魔人族国との最短ルートに成るらしい』『なら、今までと流通路が変わるかもしれない』『ならば、権利の調整をする為に話し合いをしなければ』『では、根回しを含めた話し合いだ』ってな感じで物事が進んでいく筈だった訳だ。10年位かけて。


 まさか一年足らずで街が出来上がるなんざ、お釈迦様でも思うめぇって感じだった訳だ。そう言う意味では向こうにも時間が足りんかったって事でもあるんだろうがね。


 もっとも、俺の方も『今度街道が出来るよ~』とかって喧伝もしてなかったしな。

 ぶっちゃけ、住人を増やにゃいけんかった事も有って、そこまで気をまわす余裕なんざ無かったし。

 第一、俺だってこんな所に砦を建てて、国境に成るなんて思ってもみんかったわ。


 国王様(セルヴィスおじさん)は気付いてたっぽいけど、各地の流通やら何やらって、結局それぞれの領主に一任してるもんだし、その事に一々介入なんざ出来ないってのも確かなんだ。だからこそ、ルールールー経由で忠告だけして来たんだろうし。


 俺にしても今更根回しとかしてる暇も無かったし、良い機会だからここでやってしまおうってのが今回の状況。


 そう言う訳で、ネガティブキャンペーンやってくださってた領主やその代理人夫妻は別室にご招待。


「我々をこんな所に集めて何をするつもりだ!!」


 集められた夫妻の内の1人がそう叫ぶ。


 いや、どうするって、そりゃ勿論。


「いえ、ちょっとOHANASHIをするだけですよ?」

「「「「「「ひぃ!!」」」」」」


 あれ? 優しく言ったはずなんだがな? 何故怯えるかね?

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