表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/1173

支部長からの提案

 俺は、自分の中に有ったプランを一つ一つグラスに説明して行く。

 当初こそ、胡散臭そうな目で見て居たグラスも、話を聞き終わる頃には乗り気になってくれていた。

 社会の波にもまれながら、プレゼンを繰り返して来た過去は伊達では無いのだよ!


 前世での話だがな!!


「分かった、じゃあ、お前の冒険者登録をしようぜ」

「は?」


 唐突に言われた言葉に、俺の思考が止まる。


「冒険者登録だよ冒険者登録、お前の話を聞けば、それが一番手っ取り早い」

「いや、準冒険者の登録年齢を引き下げてくれとは言ったが、さすがに俺は低すぎだろう」


 生後、1年経って無いんだぞ?


「馬鹿言うな、準? 正式な冒険者の方の登録だ」

「いや、それこそ意味が分からん」

「金が要る、素材を売る、なら、冒険者として登録した方が良いだろう? 素材の売却価格だって上がるし、討伐依頼の金も入るぞ?」


 現状、オスロー達に鞣した毛皮を持ち込んでもらっている。酒好きなオッサン猟師の代理人として。

 準冒険者である事と、ちゃんと加工してあると言う事で、普通に素材を持ち込むよりは高く買い取ってもらっているが、正式な冒険者のソレと比べれば手数料的な物も有り、やはり安くなってしまう。

 それに、冒険者と準冒険者では受けられる依頼のランクと言うのがやはり違う。準冒険者では近場での採取依頼がメインとなり、それも大して数が多い訳では無い。

  そう考えれば、正式な冒険者として依頼を受けられると言うのは魅力的だ。


「……確かに魅力的ではあるが、良いのか? それで」


 俺がそう言うと、グラスはカカカと笑って言った。


「オーガを単独討伐できる奴なら力不足なんて事は有り得んからな、むしろ、どんどん狩って貰いたい位だ」

「だから、あれは、(ミカ)達も一緒で…………オーガ?」

「角の付いた熊みたいな外見で、武器を使うんだろ? だったら、そりゃオーガだろう」


 あ、うん、やっぱり、あれもそんなファンタジー生物だったのね。実を言えば、あの後、俺は3回ほど角熊(オーガ)を狩っている。

 流石に頭に酸素が行かなければ生きてはいられないって事が分かった俺達は、なら、頭部を切り飛ばしてしまえば死ぬだろうって事で、ミカ達四頭で足止めとオーガが頭部を守る邪魔をして、俺とガブリとの連携で首を吹っ飛ばす事で狩るって言う手順を確立した。

 当然、俺の開発した魔力外装ありきの戦法だがな。


 実は、魔力外装は、もう一歩進めて活用できないかと試行錯誤しているが、そっちは後一歩、何かが足りない感じがして行き詰まっている。


 まぁ、それはともかく。


「冒険者登録ったって、俺は人前には出れないぞ?」

「うん? その身長とかだけでも何とか成らんか? 最悪、顔は仮面でも良い」

「いや、人を何だと」

「体の色を変えられるくらいなら、それ位できるだろう?」


 どう言う理屈だ。

 う~ん……竹馬的な物を使えば身長はどうにかなるか。


「分かった、何とかする」

「よし、じゃぁ、登録だ。文字は……」

「会話はできるが、読み書きはできないぞ?」

「なら、書類はこっちで用意する、明日また来てくれ……正面からな」

「……分かった」


 ******


 翌日、ギルドでの登録を終えた俺はミカ達……主にミカとバラキをもふり倒して癒されながら、今後の事について頭を悩ませていた。


 いや、生活に暗雲が立ち込めたとかそう言う事じゃない。『冒険者トールくん(10)』についてだ。

 イブやオスロー、キャルと言った中核メンバー……と言うか俺の正体を知っている面子だな。には軽く説明をした、まぁ、正体を隠して冒険者をやるって事位な訳だが。

 一番大変だったのはイブの説得だった。また俺が無茶するんじゃないかって……自業自得だけど。


 それはともかく、その面子で仮面と竹馬をでっち上げたんだが、ギルドに行った所で色々と問題も発覚した。

 竹馬だと、同じ所にジッとしてる事ができねえのな。その上、手が使えなくなるんで大変だったわ。

 すぐにグラスが出て来てくれたんでボロは出て無いとは思うが、対策を考えんといかん。

 第一、手が使えねえのに、討伐証明とかどうやって渡すんだって話だよ。


 それでも、一応イブ達に竹馬ローブ状態で色々意見を聞いてみた訳だが、その時点でも出るわ出るわ問題点が。

 その時は、竹馬に乗った俺が仮面を被っているってだけだったんだが、その所為でヒョロッとし過ぎていて人間には見えなかったらしい。


 「くらいところに立たれたら、ひめいを上げるじしんがあるよ」とはキャルの弁。

 その上で、竹馬故に歩くと足の付け根が胸辺りにある様に見え、増々人間とは思えない物体Ⅹと化していた。

 顔の下に即、足で、人間とは思えないヒョロヒョロの身体って、え? タコ型宇宙人か何かかな?

 新たな魔物の都市伝説を作る所だったわ。


 時間も無かったんで、その辺は木材でガワを作って対応した訳なんだが、こんな付け焼刃の場当たりな状態じゃ、今後の活動に支障も出る。

 なんで、グラスからは支度金代わりに纏まった金を用意して貰う事にした。今度、オーガ丸々一頭持ち込むからって約束で。


 ひとまず竹馬じゃない身長を伸ばす手段と、人間に見えるシルエット作り。後は、色々と受け渡しができる為の手段を考えないといけない訳か。


 さて、どうするかねぇ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ