そう言う流れだったので
執筆中にPCが亡くなってしまった為、内容が短くなってしまった事と、投稿時間がズレてしまった事をお詫びします。
申し訳ありませんでした。
「悪いが、俺の方が先約なんでな」
商人達の視線が俺を向く。どちらかと言えば、俺を引っ張ったのがバフォメットなんだが、何にせよ先に約束があるのは確かだ。
「確かお前、C級冒険者とか言ってたな」
「そうだな」
ああ、ちゃんと聞いてたんだ。思ったより真面目だったマホガニーをちょっと見直す。
「だったら分かるだろう? 冒険者にとって、有力な商人との縁は有った方が良いってさ」
俺に耳打ちするようにマホガニーが言った。確かに、それも事実だろう。有力な商人と言うのは、良い雇い主でも有るからな。
こうして街から街へと移動する際には、指名での依頼などもあるだろう。
だがあえて、言わせてもらう。
「だから?」
ええ、こいつ本気か? って感じでマホガニーが俺を見る。おそらくは自分の約束をキャンセルし、商人に恩を売っておけと言う事なのだろうが、残念。俺にその権限はない。
そもそもが巨人族のお願いな上、話を振ってきたのは向こうだからな。
「そうでなかったとしても、俺にバ……テモ・ハッバーボ卿をどうこうして欲しいなんてお門違いだろう?」
向こうにしてみれば、頼もしい護衛は多い程良いのだろうが、だからと言って、マナーを違反するのも違うだろうに。
「第一に、そう言った依頼をするのであれば、冒険者ギルドを通すのが筋だ。初対面であれば尚更な」
お互い知らない同士であれば、金銭的信用だったり、確実性だったりなんて物、分からない訳だ。その、信用の担保として、ギルドが間に入る訳だな。
冒険者には、確実に報酬が入るって事を。依頼主には、その冒険者が信用の置ける人物だって事を保証する為にだ。
今回の事に関しちゃ、テモ・ハッパーボと言う冒険者は、そもそもギルドによって能力を保証されてるって事を商人側が知っていた。
だが、冒険者側からしたら、何処の誰で、その人柄も分からない相手な訳だ。
だとしたら、冒険者側からしたら、なんの保証もない相手って事に成る。
そんな事をつらつらと説明すると、マホガニーも理解出来たのか、表情を歪めた。
「しかしだなぁ」
それでも納得は行ってないのか、マホガニーがさらに言い募ろうとしたのをベネックが止めた。
「成程、確かにその少年の言う通りだ。山賊に襲われたばかりだったせいで、少々気が動転していた様だ」
へぇ、もっと駄々をこねるかと思ったが、中々に話が分かる様だな。見直したわ。
そんな風に考えていると、バフォメットがクククッと笑いをかみ殺して言った。
「良かったなベネックとやら、変に駄々をこねてライバル、トールに食って掛かっていたらどうなっていたか分からなかったぞ?」
バフォメットが俺の名を出した事で、『戦慄の稲妻』の面々が、何かが引っ掛かった様に首を傾げた。
「何せ、吾輩のライッバルッ! トーーーールは!! 竜殺しにして、辺境伯でもあるのでなっ!!」
「「「「「!!」」」」」
いや、別に何もしないよ?




