体制を作る側の人間ですので
流石に移住者連れて帰ったばかりなんで、その処理をせんといかんのよ。自由にして良いのは、仕事を全うした者だけなのだよ!!
おっと、ブラック時代の何かが表に。
まぁ、それはそれとして、あの状況で断れる豪の者が居たら紹介してください。一先ずこっちの処理が終わったら行くって事で、待って貰う事になったわ。
バフォメット曰く、聖域に入り込んだ輩はバフォメットとしても厄介なヤツで、一人だと手を焼く相手らしい。
そこはそれ、巨人族の力を借りろよって言いたいし、実際そう言ったんだが「巨人族程度ではまだまだ力不足なのだよ」との事。いや、あの筋骨隆々で?
なら、知り合いの魔族には? って聞いたら「魔族連中は個人主義で早々手は貸してくれはしない。ベルゼブブとて、この間、力を貸して貰ったばかりなのだ。暫くは無理だろう」って事だった。
うん、ニーズヘッグん時は有難うございました。
その上で全ての魔族は聖域に居る者とは“相性が悪い”らしい。
それを承知でバフォメットは巨人族に手を貸すんだそうだ。
そう聞くと、S級冒険者として手に余る様な魔物を倒しまくって、挙句、今回みたいに他種族に手を貸してやるバフォメットは魔族の中でもお人好しの部類なんだろうなとは思う。それでも、自分が英雄と戦いたいが為に、内戦の手引する様な人格破綻者でもあるんだが。
そうか、魔族ってコイツですらお人好しに成るレベルか。そう言や、ベルゼブブには『いきなりフレンドリーファイア』喰らったっけか。
その上でバフォメットが問題にしたのは“味方に攻撃した”事じゃなく“格上に攻撃が通じると思った”事だったしな。
ゴモリーも、戦闘中ですら発情し続ける変態だったし、ガープにいたっては言わずもがな。
うん。やっぱ魔族、どっか可笑しい。
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移民者の職分けは、事前に意識調査をしてたお陰ですんなり行ったわ。
農地やら、牧草地も準備だけはしてあったしな。
ただ、流石にどのくらいの規模でやれば良いかは分からんかったんで、実際に従事する人間に聞き取りしてからの用意に成ったんよ。なんで、その手配の間は、また待機して貰う事になったんだわ。申し訳ないが。
住民も増えた事だし、娯楽についての整備が急務やね。実はこれが結構馬鹿に成らん。この間の巨人族の説得と言うのも馬鹿らしいアレについては、正直この街に娯楽が有ればあれ程皆が食いつかなかったと思うんよ。
俺視点から言えば、講談見てたら急にミュージカルが始まった様な違和感しかなかったんだが、娯楽に飢えてただろう他の皆には魅力的に映ってしまったっぽいからな。
まぁ、観劇とかそう言った物も必要だとは思うが、そう言った物は余裕があってこその物。それでも急ぎはするが、それ以上に直接的に発散させる場がないと変に拗らせる輩とか出て来るんで、何とかしときたい所。ぶっちゃけ歓楽街を誘致せんといかんなって話さね。
これ、自然発生に任せてると犯罪の温床にしかならんので、管理できる人間を置かんと、犯罪組織とかに牛耳られかねんのよ。
特にこの街、行商人と冒険者が多いから、旅の恥は掻き捨てたりとか、生き死にに近い生き方してる所為で生存本能とか種族保存本能とかが過剰になぁ。
それに将来魔人族国との行き来が始まれば、輪をかけて倍率ドンッ! って感じ。
ルールールーにルーガルー翁を呼んで貰わんといかんかね? ああ言った酒の席やらベッドの上なんかでは、情報ボロリとかし易いし。ルーガルー翁の所なら、そう言った情報係を扱う人材も有るだろう。流石にこんな話をルールールーにする訳にはいかんからなぁ。って、俺も子供だったわ。
兎も角、その辺もグレッソチューンやエクスシーアも交えて話をしとかんとな。
そして最後は街の治安維持に関してか。今はコボルト達の中から有志を募った自警団とパートナーとして狼達をセットで運用しているが、冒険者の中から定住するんで自警団に入りたいって者も出てきてるんで、彼等を含めた人達を正式に『オーサキ領兵士団』として雇う事にする。
独身者は寮に纏めて、既婚者は家、宛てがってって所か。
兵士用の建物と訓練場も造らんとな。こっちはドワーフと相談だな。




