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ボク辺境伯(5才)

 1つの戦いは決着した。しかし、それは新たなる戦いのプレリュードに過ぎなかった!!


 とか言っとくと、壮大な物語が始まりそうな感じがするよな。まぁ現実、早々、イベントが続くってこたぁ

ねぇんだかよ。


 はい、あの決闘騒ぎの後は、特に問題なく日々は過ぎましたよ、と。

 とは言っても、街造りに商会にと、結構な忙しさだった訳なんだが。


「トール・オーサキ。貴殿に辺境伯の爵位を与える!!」

「は! 謹んでお受けします!!」


 5才の誕生日のこの日、俺は辺境伯に成った。


 ******


 辺境伯ってのは、国境沿いに領地を持ち、隣国とのいざこざを考慮して、独自に()()を持ち、それを国に許諾を得ずとも行使する権限を許された伯爵位のことで、その独自性ゆえに、侯爵と同等とみなされる爵位だ。


 まぁ、俺って言う存在から考えれば妥当な線だろう。もっとも、俺、その隣国の伯爵位も持ってるから、独自の戦力を持ってるって言っても、行使する事はないんだがね。


 うん。これで俺、オーサキ辺境伯な訳だけれども、魔人族国のなんちゃって伯爵の時は全く気にしてなかったんだが、領地持ちと成った今、あの開拓してる場所は『オーサキ領』になった。


 ヤバイ。土地に自分の名字とか軽く死ねる。恥ずか死する。


 ナウなヤングが「昨日、オーサキ領でさぁ」とか「今日、オーサキ領行くっしょ」とか話すのかと思うと、恥ずかしくて(おんも)歩けない。


 戯言はここまでにしとくか。


 取り敢えず最初に作った街はそれなりのモノになった。いや、まだ足んねぇもんがめっさあるけんどもよ。

 それなりに街っぽくはな。

 前世で言う地方の駅前商店街位の規模か? シャッター街じゃない事を祈ろう。


 今の所、街道で繋がってるのは公都位で、逆側の魔人族国の方の砦はまだ出来上がってない。てか、1年足らずで街がほぼ完成してるこっち方が可笑しいんだがね。

 普通、家一軒建てるのだって半年とか掛るって言えば、どれだけ異常なスピードだったか分かろうと言うものだよな。


 まぁ、それにも少し秘密があって、現地で家を造って行くって従来の工法ではなく、前世でプレハブ工法とかユニット工法とか呼ばれていたやり方を使ったってのが大きい。

 これはまぁ、俺が地ならしとかでドワーフに呼ばれて作業やってた時に出た雑談をドワーフが拾って始めた事で、ここから木材の規格化が始まっったかと思うと、あっと言う間に手段を確立しちまった。要は1分の1プラモデル。部品さえあれば数日で家が建ちます。


 工房の方で画一化したパーツを造って、それを現地で組み立て。そのおかげで技術が必要な工程をあらかじめやって置く事で、現地での人員が専門職じゃなくても出来るってのは、随分と作業のスピードアップにつながった様だ。

 現地では、依頼を受けた冒険者とかも日雇い労働者宜しく活躍してたわ。


 その逆に、ドワーフとコボルト、エクスシーア商会関連での買い付け商人とその護衛の冒険者と、大森林内の依頼の拠点にしてる冒険者以外に住人は余り増えてない。

 この国が温暖で過ごしやすく、国王が優秀なせいで治安が比較的良い事も有って、余所に行きたい住人が少ないってのもあるが、やはりボトルネックは悪名高き大森林の内部に有る街だって事だな。


 そのせいで、例えば家を出なければいけない様な農家や貴族の三男や四男であっても、わざわざこの街に移住しようとは思わない様だ。大した事ねぇよな、ドラゴンスレイヤーのネームバリュー。


 ただ、そんな理由も有って腕に自信のある冒険者やらは結構拠点を移してるみたいなんだがね。グラスに「あんま、こっちから冒険者持ってくなや!」って言われたが、知らんがな。その辺、個人の自由だろうが。

 その関係で冒険者ギルドは誘致したがよ。その件では大変お世話に成りました有難うございますグラスさん。


 それに、拠点を移したって言っても、そこは冒険者。決して定住って訳じゃねぇんで、住人が増えたかってぇと、ちょっと微妙なんよな。

 家とか買ってくれれば良いんだが、基本、宿暮らしのヤツばっかだし。まぁ、それでも金は落としてくれてるんで良いんだけどもよ。


 あ、教会(きょてん)に居た家の人間も、向こうに柵の有る連中以外はこっちに移って来た。領主館に併設されてる孤児院ってか、アレはもう俺の家なんだが、そっちに一緒に住んでる訳だな。


 ただ、疑問なのが、その移って来た主にガキ共、全員がメイド服と執事服なんよ。


『【得意】頑張りました。マスター』


 お前のせいかファティマ! 

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