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護る組織

『【歓迎】覇道を進むと聞いてやって来たデス!!』


 来ちゃったかジャンヌ。コボルト達の仕事についての打ち合わせも有るから来てくれてのは都合が良いんだが、本気で覇道を進む(それ)と聞いて来たんなら、俺達もう少しOHANASHIが必要だと思うの。


『【当然】じょ、冗談デス』


 うんそれは、俺とちゃんと視線を合わせてから言って貰おうか。頭を押さえ、強引に視線をこっちに向けさせる。が、ジャンヌもジャンヌで、必死こいて俺から顔を背けようとする。ははは、この頑固者め!


 俺とジャンヌがそんな不毛なやり取りをしてると、グレッソチューンが割って入る様に声をかけて来た。


「して、我々は何処に行けば……」


 そう言えば、案内してんかったな。取り敢えず、ドワーフが作ってくれた仮設住居に行って貰わんとな。


『【安堵】っほ、デス』


 いや、この事に関しては後でまた追及するかんな? 頭を鷲掴みにしながら、そう念話っておく。


『【悲嘆】そんな!! デス!』


 まぁ、それはさておき、コボルト達も護衛代わりに連れてきている狼達も長旅で疲れてるだろう。今は休んで、明日から頑張って貰わんとな。そんな事を考えていると、俺の袖、って言っても黒鎧(オファニム)のだが、を引っ張る感触。って、ティネッツエちゃん?


「な、なかよしなんですね……」


 少し上目遣いでそう言って来る。いや、確かに悪くは無いが、今のやり取りでどうしてそう思った?


 それとグーテンシュバッソ。言いたい事が有るならハッキリと言え、何か「ぐぬぬっ」とか唸ってないで。それ、お前のキャラと違うだろ。


 ******


 コボルトの皆にやって貰いたい仕事ってのは、建築に向いた石材の選定とできれば切り出し、それと浄水設備の仕上げだ。

 設備に使うパイプやらバルブやらはどーワーフ連中がやってくれたが、こと土関連に関しては、やっぱりコボルト達に軍配が上がる。なので、使いやすい様に整備して貰いたい訳だ。石や砂利を利用したフィルターについてとかな。


 その辺りの事情に関しちゃ、俺は門外漢だしな。精々、大理石とか御影石材なんかが良く使われてたよなぁ位に認識なんで、その辺よろしくって感じで。


 それに関係して、遺跡(ダンジョン)内部に有った魔力充填用の端末なんかを一部地上にも用意しなけりゃならないんで、どっからどう持って来るかとかをジャンヌと打ち合わせて貰う。

 この施設、出来れば俺だけが魔力的な何かを充填できるんじゃなくて、何人かが、持ち回りで充填できる仕様にしたいんよね。

 いや、俺が居ないと立ち行かないとか、脆弱過ぎるやん。


 それと、浄水施設は重要ちゃ重要な施設なんで、狼を使って広範囲をカバーできるコボルトがうってつけだと思うんよ。

 そこそこ戦闘力のあるコボルト達には、自警団的な立ち回りをしてもらいたいとも考えてるしな。


『【提案】ならば、兵士団と騎士団を組織した方が良いと愚考します。マスター』

「はい?」


 おっと、素で返しちまった。騎士団? ナンデ? キシダン、ナンデ?


『【困惑】マスターは、ご自分が貴族だと覚えて居られますか?』


 ………………

 …………

 ……


 ああっ!!


 そういや俺、魔人族国のなんちゃって貴族だけじゃなくて、この国から正式に貴族に授爵されるんだったわ。

 そもそも、この街造りだって、戦闘力ってか、二回にわたるドラゴンスレイヤーに対する授爵だと納得できないって国内貴族達に対する、目に見える実績作りって意味だったんだし。

 まぁ、その授爵する爵位に関しては出来上がった町に対応して爵位を決めるって事だったから、まだ決まっちゃいないんだが、それでも、魔人族国に抵抗する為に伯爵以上ってのは決まってるっんだったか。


 そうなると名実ともに俺貴族やん。いや、欲しかなかったし、実質、自治領なんで教会(きょてん)がちょっと大きくなった程度にしか考えてなかったが。


 そうか、そう成ると、俺自身に騎士の任命権があるんじゃな。騎士か……どうすっかな。

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