ただ掘るだけの簡単な作業
発見した川は大河と言って良い位の大きさがった。この辺山も多いからなぁ。
取り敢えず都市建設予定地より高い位置から引き込むとして、2、3個の貯水池を経由させたいんでその高さをファティマに計算して貰う。表に出る貯水池は1つだけ。それ以外は地下ってか日に当たらない場所に作る予定。
それ考えると、結構高低差が必要だな。
別に水車とポンプ作って高所に引き上げるってのも悪か無いんだが……その辺は臨機応変に考えるか。
貯水池の他に石や砂利使ったフィルターやら沈殿槽とか浄水槽とかを作る事を考えれば、結構大きな施設になるな。まぁ良いか。
確か成人男性が一日に必要な水分量が2Lくらいだったか? で、それも含めた使用量が200Lくらいだった筈。前世の水道局のパンフレットだったかにそんな事が書いてあった覚えがある。
1000人が暮らせる街を目指すとして、一日に必要な水の量が20万リットル。容積だと、メートル換算で確か1000分のリットルだったから、200立方メートル。そうすると、キャパ的には6メートリル四方あれば良い。と言っても、一日での話だ。
実際は一日程度のプールじゃとても足りんから、もっと大きくするが。
それ考えると、街地下に貯蔵タンクとか作りたくなるな。
まぁ、もし、そんな備えが必要な事態に成ったら、遺跡の機能使って逃げる方が現実的だがね。
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ファティマに頼んでた計算も終わって、貯水池作りに入る事にした。
規模が大きいんで今までと同じ感じでやってると、土砂の運搬が大変に成る。あれだな、コンベアが欲しいよな。
とは言っても動力の問題があるんだが。流石にこんな事でファティマ達にゴーレム作らせたり、エネルギー変換炉のシステム持って来る訳にゃ行かねぇし、どないすんべ? まぁ、取り敢えずは穴は掘るが。
色々考えた末、一つ目の貯水池は人工湖にする事にした。なんで、キロ単位でまた森を伐採。この世界に環境団体とか有ったら怒られる事確実な所業だが、むしろこっちだと人の居住できる環境の方が少ない位なんで、目を瞑って貰おう。これも間引きの一環だし。
魔物の住める環境を減らすって言うね。
半径500mの真円を2m位掘った後、中心部分に向かってすり鉢状に深くする。露天掘りなんで、土砂は強引に外周部へと吹っ飛ばす。
「アオンアオンアオンアオン!!」
俺と一緒に身体を動かすのが楽しいらしくミカやバラキが元気だ。特にガブリは穴掘るの好きだもんな……って、ガブリも魔力外装使ってる!?
ああ、うん。このタイミングで習得するかするか。てか、魔力外装使ってまで掘りたいんだ土。
ラミアーが【念動力】で、土を運んでくれているがルールールーは流石にコレには参加できない。
なので、イブとジャンヌの方に行って貰ってる……メイドとして。向こうは頭脳労働だし、キャンピングカーでお茶でも入れるとです。
堀田あとは地ならし、てか、土を押し固めてあまり染み込まない様にする。
両腕をエクステンドしてランマー……転圧機に。ドリルに出来るんだ。振動させるくらいならできるだろう。重心ずらした縦回転にすれば良いだけだし。
しばしの試行錯誤の後、完成させる。……なんだろう、超の付く機械生命体のカセットに変形する悪役を思い出した。
いや、好きだったけどね。
作業を完了し、人工湖の外へ……
うん、あれだ、これ、カルデラだ。うん。




