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大きくも小さくもない第一歩

 王都で何かあれば連絡して貰うって事で、支部の方には話を通して一旦公都に戻る事にする。

 “わるさ”は出来ない様に念入りに潰しておいたが、豚会長そのものを潰せたわけじゃないからな。

 何か連絡できる手段を構築するべきだよな。【念話】を魔道具化とかできんもんじゃろか?


 それはそれとして公都に居る各方面に、今回の事を話さにゃならん。開墾作業をするとなれば、数か月程度留守にするってのとはまた意味が違って来るからな。

 アレかね、開墾する大森林内に一番近い都市である公都の領主にも、話は通しておかにゃ成らんのかね?


 会いたくねぇなぁ。クソ公爵には。


 多分顔合わせた時点で、色々と勘繰られると思うしな。確かに貴族として、領主としては優秀な人物なんだろうが、親として男として最低なのは確実だ。


 まぁ、兎も角、悩んでてもどうしようもないし、何か言ってきたらその時対応だな。


 ******


「勿論!! オレはついて行きますぜ!! オジキ!!!!」

「あんたコボルトの代表だろうが!! おれなら、自由に動けるから連れて行ってくれ!! アニキ!!」


 あ、うん、何と無くおまいらならそう言うと思ったわ。


「有り難いが、確かにゲーグレイッツァの言う通り、お前コボルトの代表だろう? 大丈夫なのか?」

「ええ!! いつでも引き継げるようにしてありますんで!! と、言う訳だ今からお前が代表だゲーグレイッツァ!」

「フザケンナ!! クソオヤジ!!」


 全く話通ってねぇじゃねぇか!! 自由すぎだろグレッソチューン!!

 まぁ、その辺、おまいらの中で話し合って決めてくれ。


 大森林の中の開墾って事で、場所はあの遺跡(ダンジョン)付近って事は確定だが、規模やら何やら、全く決まってない。

 実際、どうするかって話ではある。

 そもそも、砦って事なら、防衛費的な何かを国から出される事になるだろうが、それはなるべくしたくない。

 それだと貴族連中の反発が激しいだろうしってのもあるが、折角“実質税なし”なんて特典貰ってんだから、太い手綱を着けられる様な状態にはしたくないからな。

 第一、俺に授爵される爵位の詳細も決まってない。

 伯爵位以上って事には成ってるが、どうするかは、これから開墾する規模によって変わって来るんだろう。

 と言っても、公爵や侯爵ってのは考えられないから、実質、伯爵か辺境伯って所だろうな。


 取り敢えず、国から渡された支度金は、約金貨1000万枚程。結構な金額だけど、国家予算から見れば1000分の1程度。街を作るにしたら心許ないなんて所じゃない金額。具体的にどれくらいかと問われれば、公爵の城作るのに頭金にしかならない程度。

 逆に言えば公爵がその程度は軽く稼いでるって事でもあるんだが、まぁ、後は自分の才覚でどうにかしろってぇこったな。


 幸いと言うか何と言うか、コボルトの為の出先の村を作った経験はある。あの時はほぼ仲間内のマンパワーでどうにかしたからな。今回もどうにかするさぁね。


 ******


『【切断】【詠唱破棄】魔法名【ウィンドスラッシュ】!!』

「ん!! 【詠唱破棄】【ウィンドスラッシュ】!!」


 森ん中の開墾。基本は木を切り倒す事。取り敢えずそれが取っ掛かり。

 平原って訳じゃないんで、兎に角切り拓かなきゃ成らん。そして切り倒した樹木は、そのまま材木になる。

 と、言っても。3ヶ月から半年は乾燥させんとあかんがな。


 それまで待ってる訳にゃいかんので、出来る事を進めて行く。

 魔獣蔓延る大森林。安全に生活する為には防壁が必要だ。

 端から街の規模で造るつもりなんで、1辺が1km程度の6角形を造る事にする。

 ファティマとジャンヌに直線を作ってもらい、オファニム+ケルブで両腕エクステンドドリルで駆け抜けて掘って行くと言う暴力的且つ簡単仕様。

 掘った分の土を土塁にして取り敢えず4m程度の土壁。

 後で転圧して土台にするがな。

 これで堀の深さも併せ7mの高低差になる。

 オーガが直立して6m位だから、一先ずの高さとしては、これで充分だろう。


 門になる部分は土壁を造らず、取り敢えず丸太を転がしておく。出入り時の橋の代わりでもある。


 入り口に立ち、後ろを振り返る。木を切り倒しただけの何もない場所。

 取り敢えずここから、さて、どんな街を造ろうかね?

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