表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/1157

トール4歳に成る

 コボルトの特訓に付き合い、エクスシーアやマァナと商会についての打ち合わせをし、ミカやバラキをもふり倒し、マトスンやキャルと悪だくみをし、イブとルールールーを連れて冒険者活動とかしてる内になんか4歳になってたわ。

 まぁ、第二夫人所で誕生日会とかされたんで気が付いた訳なんだが。って、言ってもジョアンナと第二夫人と俺だけのささやかな物だったがね。

 誕生日プレゼントでピジョンブラッドのカフスボタンと、同じ宝石のブローチ貰ったんだけんどもよ。何処に付けて行けと?


「あら、トールちゃん、伯爵様に成ったんでしょ? こういうのも必要になるわよぉ」


 横を見ればジョアンナも頷いてる。

 そう言や、俺、伯爵だったっけ。魔人族国の、だけどな。


 普段やってる事が冒険者活動(こと)だけに、自覚が薄いんじゃよな。


「それに、商会のオーナーでもありますし、貴族のパーティーに招待される事も有るでしょう」

「そうね!! その内、家のパーティーにも招待しなくちゃ!!」

「や、そう言った事は、商会長(エクスシーア)に任せているから」


 俺がそう言うと、第二夫人はあからさまにがっかり顔をした。いや、気持ちは分かるけど、夜会参加(それ)最大の地雷だかんね?

 ジョアンナも苦笑しているし。


 まぁ、国王直々のお墨付き(もんしょう)もいただいてるんである程度貴族の反応も抑えられるとは思うんだが……

 そもそも、公称では俺14才って事に成るのか? ただ、体格的にはまだ5、6才程度にしか見えんし、顔付も公爵に似てるって話だから、色々勘ぐられはすると思うんよね。


 例え、実は公爵の実子だって思われなくとも、血縁とかな。


 冒険者の出自が不明なのは良く有る事だが、俺って存在は、その“出自不明”って部分が特にセンセーショナルに成り易いと思うんよね。

 公爵に似てるって事になれば、それって、国王にも似てるって事になるし……あ、その上で国王の個人紋章を貰ってるて、下手すりゃ国王の隠し子説とか出るんじゃ?


 あのオッサン、それも見越して紋章渡してくれたのか? 自分が泥を被るのも厭わず……


 いや、もし、隠し子説が出たとしても、複数の古代文明の武器を所有してて、隣国の女王とコネを持っている上、国内で影響力を高めつつある商会のオーナーで、2体の『竜殺し』を果たした俺を手元に置く方がメリットがあるって判断なんだろうな。もっとも、2体目(ニーズヘッグ)に関しちゃ俺とその身内と、S級冒険者(バフォメット)位しか証言が無いんで、疑問視も多いらしいが。

 それでもS級って肩書は伊達じゃないらしく、冒険者の中では「テモ・ハッパーボさん(バフォメットの偽名)がそう言ってるのなら、それは事実だ」って言われてるらしい。


 まぁ、それ程多くはないがニーズヘッグ成体の素材も提出したし、ニーズヘッグ幼生体の方の目撃情報は多かったからなぁ。


 一応、第二夫人達にも、俺のカバーストーリーは伝えてある。

 第二夫人、「それじゃぁ、トールちゃんが私の息子だって自慢できないじゃない」って嘆いてたけど、それ一番言っちゃいけん事だかんな?


 ******


 教会(きょてん)に戻ると国王からの召喚状が届いていた。俺のカバーストーリーに使うダンジョンについて色々と打ち合わせが必要だからって事らしい。


 早速いつものメンバーが旅支度を整える。が、今回問題に成ったのはラミアーの扱い。連れて行っても構いやしないんだが……目立つんだよなラミアー。特に容姿が。

 整った顔立ちをしつつも何処か妖艶さを兼ね備える美少女って事もそうなんだが、全身真っ白で、その瞳だけが鮮血を想起させる真紅なんて、目立たんはずがない。

 下手に目を付けられたとして、その下手に目を付けた方が散々な事に成るのは分かってるんだが、如何せんん社会性って物に乏しいお嬢さんなんで、むしろやり過ぎないかって言うね。


 コボルト村のティネッツエちゃんとかなりの仲良しらしいんで、預けて行っても大丈夫な気もするんだが、こいつ、結構な気分屋だから、唐突に俺を探しに王都迄来かねんのよ。

 実際、コボルト村に来たのもそれが理由だったし。


 それで王都で問題とか起したら目も当てられないって言うね。いや、暴力沙汰とかでなくても、【魅了の邪眼】を使われるだけでもどうなんだろうって言う。


 知能レベルは決して低くないし、現状今も俺等の生活常識に馴染んで行ってる最中ではある。だけど、例によって『冒険者トール』の身内だからしょうがないよねって言う感じで見守られてるって部分はあるんよ。


 う~ん。だったら手元に置いておいた方が良いのか?

 どうなんだろ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ