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適した人材は適した場所へ

「オジキ!! 見てくれ!! ローズクォーツの原石だ!!」

「アニキ! アニキ! 瑪瑙だ!! 瑪瑙を見つけたぜ!!」

遺跡(ダンジョン)を探せぇい!! おまいらぁ!!!!」


 テンションと圧が高けぇ!!!! 呼んどいてなんだが、さっそく後悔し始めてるんだが!?


 宝石はそれはそれで良いが、今はダンジョン探しが先だ!!


「「サー!! イエス、サー!!!!」」


 ビシリッと踵を揃え敬礼をするコボルトーズ。ファティマ、お前は敬礼する必要ないと思うんじゃが?


『【吃驚】サー!! つい、条件反射で!! サー!!』


 直ってない、直ってないぞ! ファティマ!! パブロフの犬かよ!!


 普通に探して見つからないなら、普通じゃない探し方をすれば良いのよの精神で、コボルトの村に赴き、グレッソチューンに誰か見繕って貰おうとしたら、本人が行くと強固に言われ、まぁ良いかと妥協したら、ゲーグレイッツァも一緒に行くと、以下略。


 そもそも、事が事だけに、あんまり大勢を連れて行くって訳に行かんかったってのもあるが、グレッソチューンなら、【契約の魔術】で縛ってあるからな。代表が村を長期間離れても良いのか? とも思ったんだが、自己申告で「大丈夫だ」と言うんだから、後は何があっても自己責任だ。


 それで、さぁ行くべえかって段階でゲーグレイッツァに見つかっちまったんよ。いや、良い年した男が村のど真ん中で手足バタバタさせて駄々こねんなや。おまい成人しとるやろ!


 村中の注目が集まり出したんで、ゲーグレイッツァもキャンピングカーの中に引っ張り込んで、結局そのまま遺跡探索に。


 公都に行った時も結構はしゃいでたが、大森林の中に入ったら、目ぇ輝かせて更にはしゃぎやがる。

 まぁ、植物の殆ど生えない荒野から植物だらけのジャグルに来た訳だから、気持ちは分からんでもないが、ちったぁもちつけ。


 話聞いてんだか聞いてないんだか、崖が崩れた所行って原石を見つけ出し、河原に行っては石を拾い出す。


 だから、遺跡探してんだって言ってんだろが!!

 修学旅行先の小学生かよ!!


 取り敢えず仕切り直して探索再開。コボルト達は、地面に鼻を付けて匂いを嗅ぐ様な仕草をしている。

 あれで、鉱石とかを嗅ぎ分けてるんか? どんな理屈だ。


 ミカ達も、それを真似して鼻を効かせているが、何も分からないらしく困惑気味な感じ。

 匂いを嗅ぐってんのとは、ちょっと違うんじゃろか?


 もしかしたら、ロレンチーニ器官みたいなもんを持っているんかもしれん。サメとかが持ってる。

 そもそも、青い肌ってだけでも、随分違うしな。


 ん? あれ?何か……


 ああ!! そうか!! 器官の有る無しじやなくて、コボルトが何がしかの能力を持ってるってのはあり得るのか!!

 いや、そもそも精神支配に地中探査って、もしかして電気系か?


 俺がプラーナをパッシブで使ってた時に赤く染まってた様に、コボルトはパッシブで何かの能力を有していて、肌が青く染まっているってぇ可能性!!


 あぁ、いや、今回の事には全く関係ないが、だが、俺と同じ様に、特訓でパッシブをアクティブに変える事が出来たら、コボルト達の見つかったら、権力者に利用されるから村の外で活動できないってぇ悩みも解消できる……はず!!


 俺みたいにアクティブに成ったら成ったで、白子(アルビノ)だったってぇオチがなければ……


 いや、これは俺の思い付きで、確証なんて何もない話だ。下手に話してぬか喜びをさせても何だしな。また、ファティマ達にも相談して、後でちゃんと考えよう。


 ******


 しばらく地面を嗅いでいたグレッソチューンとゲーグレイッツァだったが、やがて二人で顔を見合わせると、ニィと獰猛にも見える笑みを浮かべると、同時に声を上げた。


「「オジキ(アニキ)!! ここに普通の鉱物とは違う何かが!!」」


 俺達だけの時は散々探し回ったってぇのに、コボルト二人を加えた途端にコレかよ。

 やっぱり餅は餅屋ってぇ事かね。専門家ってのはすげぇや。


 しかし……


「特に洞窟とか見当たらねぇのな」


 そう言や、魔人族国のダンジョンも、偶々坑道に繋がって発見されたんだったか。

 考えてみれば当たり前っちゃぁ当たり前か。ダンジョンが通常埋まってるんなら、外に繋がってる方が可笑しいんだ。

 洞窟や何かから入れる方が、実際はレアケースなんだろうな。


「で、オジキ。ここから掘るのか?」

「地盤はそんなに硬そうじゃないけど、ダンジョンまでの距離を考えると、結構かかるぜ?」


 そんなに地下深いのか? でも、まぁ……


「掘り始めの位置が多少別の所でも、お前等ダンジョンの位置は把握できるのか?」

「嘗めて貰っては困りますな。地中において場所を把握するなど、我等には容易い」


 そう言やそうか、地面の中の鉱物やらの分布が把握できるって事は、無数の目印があるって事と同義だもんな。


「そうか、いや、それは心強いな。流石はコボルトだ」

「!! い、いや、それ程たいした事では……」

「当ったり前だろ!! アニキ!! どんどん()()()頼ってくれよな!!」

「キサマ!! いや、オジキ!! 能力で言えば俺の方が上だ!! 頼るなら俺を!!」


 ゴツッ!! と鈍い音を立てて、二人の頭が激突する。そこから始まるメンチ合戦。どこのヤンキーか。

 ちょっと見直したらこれか、そう言う所だぞ?


 俺は、二人をシカトする様に、イブや犬達と崖に成っている場所を探す事にした。

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