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エクスプローラー

 プラーナの活性化をしているせいか、俺の体格は3歳児としては大きい方だ。それでもも5、6才児くらいに見える程度だがな。とは言っても、後、数ヶ月で4歳に成るんだから、誤差っちゃ誤差か。


 そんな感じなんで、見た目、華奢っちゃぁ華奢なんだが、その割には筋肉がしなやかで強い。細マッチョと言うか、野生児と言うか。


 まぁ、外見的には準冒険者に成ってても可笑しかない様に見えるって訳だ。旧基準ですらな。


 で、ここからはグラスと作ったカバーストーリーの話に成る。

 準冒険者として、細々と冒険者活動をしていたトールくん。ある時、未発見の遺跡(ダンジョン)に落ちてしまい、その中で黒鎧を見つけた。

 これ、オファニムの事じゃなく、魔力装甲の事な。で、それを身に着けた俺は、信じられない程の力を手に入れられるが、その代償なのか、同時に成長が止まってしまったのだ。

 そんな俺を発見し、保護したのがグラス。そんなグラスの元で、暴走しがちな力を抑えつつ活用する特訓を受け、10才になったと同時に俺は冒険者登録した……ってな話にした訳だ。

 10才になったとたんに頭角を現したのは、それまでグラスによる特訓漬けだったって設定な訳だな。


 そんな訳で、王都から公都に戻った後、俺は大森林内部でこうしてダンジョンを探している訳だ。カバーストーリーの真実味を持たせる為にだ。


 そもそも、隣国である魔人族国にはダンジョンが多数埋もれている。その事も有ってそっちに近い大森林の内部だったら多少は見つかるんじゃね? って思っての行動である。

 これに関しちゃ、ファティマやジャンヌ、エクスシーアにも話を聞いて、なるべくありそうな場所を探しているのだが。


 妖虫種を叩き潰し、ゴブリンの巣を壊滅させ、オークを狩り倒し、オーガを瞬殺する事、はや1ヶ月。


「見付からねぇな」

「ん」

『【肯定】早々発見できる所なら、既に誰かが見つけている可能性が高いですから』

『【追従】そうデス。ですが、こうして探索をしているのも楽しいものデス』


 それについちゃ、同感だがね。居住性に優れたこのキャンピングカーを使ってるからってのも理由の1つだと思うわ。


 教会(きょてん)についても商会についても手が掛からなくなったから、こうして遠出ができる様になった。

 ただ、カバーストーリーの補強の為って大義名分が無けりゃ、エクスシーアが、俺を長期の探索に出す事を許しちゃくれなかっただろうがね。


 帰った後の書類の山に関しては、今は考えない事にしておこう。うん。


 今回も第二夫人に駄々を捏ねられたが、探索(これ)が終わったら、しばらく夫人ん所に泊り込むって事で何とか納得して貰ったわ。


 あるうぇ? 自由な冒険者家業のハズなのになぁ? 何で彼方此方からの柵で雁字搦めに成ってんだ? 俺。

 まぁ、ある種の自業自得なんだが……


 ******


 キャンピングカーを仮りのベース基地として、その周辺を暫く探索。

 何も見つからなかったら、ベース基地を移動して探索ってのを繰り返して地面の亀裂や洞穴、風穴何かを探す。

 そう言った所が遺跡(ダンジョン)に繋がってる場合が多いからだ。


 どうでも良いがベースそのものに基地って意味もあるのにベース基地って、英語で言えばベースベースか?


 うん、本当にどうでも良かった。前に開発した【探査(サーチ)】は、障害物があるとその向こうの様子が分からなく成るのがネックだよな。エリスが居りゃ、また飛んでもらって空から地表を探って貰えたんだが、一国の女王を俺の事情に付き合わさせるのも何だしな。


『【予想】むしろ喜んで協力すると思うデス』

『【想像】それを理由に婚姻も迫って来そうですが』


 いや、どうよそれ。


『【想定】この計画が上手く行けば、マスターの公称での年齢は13才になりますので、個体名【エリステラレイネ】の年齢との釣り合いが取れる様になりますから』

「……遺跡の殆どが地中ってのは、火山噴火があったか、洪水でもあったのかね?」

『【訂正】……隕石の衝突でした。マスター』


 ああ、そっちだったんか。って事は、今の文明になる前に氷河期を挟んだってことか? 隕石衝突でのショックとそれに伴う土砂の吹き上げ。そしてそれに続く氷河期。その為に文明が衰退したって所か?

 でも、古代文明の一端を見てる限り、隕石くらいなら何とか成りそうな感じもするんだがね?


『【回想】この星よりも巨大な氷岩の塊だったデス。流石に宇宙空間にまでは出れなかったんで、対策できる機会はそれ程多くはなかったんデス。あの当時、数を減らしていた対空魔法部隊では、4分の1位の大きさに破壊するので精一杯だったデス』

『【無念】巨大質量接近に伴う重力嵐で、航空戦力は殆ど使い物に成りませんでした。クッ!! あの時、精神感応装置付きの搭乗型ロボットが完成してさえ居れば!! たかが石っころ1つ押し返す事など容易かったものを!!』

『【追加】大尉の部隊復帰がもう少し早ければ、結果は違っていたデス。総帥も秘密裏に大尉に技術提供をしていた様だけど、統一政府の石頭共は、大尉の力を恐れて復帰を渋って居たんデス。だけど、もう終わってしまった事デス』


 うん。何か、映画一本作れそうな勢いの物語が有った様だ。

 よし、この話題は止めよう。聞いてる限り、白いあん畜生に乗ったナイーブボーイに、「伊達じゃない!!」とか言われそうだ。


 それはさておき、そう成ると、地表から探してるだけってのは、効率が悪いか? イブとジャンヌで地中音波探査に切り替えた方が効率的じゃろか? あれ? 地中だと電磁波探査の方が良いんだったか? 魔法の中にそう言った系のって有るんかね?


 その辺、どうよ?


『【返答】超音波探査ならいけるかもデス』

『【提案】地中と言うならコボルトを連れてくれば良いのでは?』


 それだ!!

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