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vs無限竜

 ウネウネと尻尾を動かすニーズヘッグに、俺はある種の安堵と危機感を募らせていた。

 安堵したのは、この場にゴモリーが居ない事。危機感は、ニーズヘッグを見て、瞬間的に思った『まるで、触手の様じゃあないかぁ!!』と言う事にだ。


 いや、ここにあの淫魔(ゴモリー)が居たら、確実に18禁に成っていたのは確実じゃろ!?


「ファティマ!! ケルブ!!」


 俺は能力全発動(オールアップ)すると、ケルブと合体し高速形態に成り、ファティマを構えた。その上で左腕に防御全振りでエクステンドする。


「イブ、ジャンヌは遠距離からの魔法!! 俺は特攻する!!」

「ん!!」

『【了解】オッケーデス!! オーナー!!』

「吾輩は?」

「好きにしろ!!」


 それだけ言うと、俺はニーズヘッグへと突っ込んで行く。表次元に引っ張り出されたニーズヘッグは、のたうちながら、裏次元へと逃げようとした様だ、が、そんな事ぁこっちも重々承知だ!!

 バフォメットが、即座にベルゼブブへと指示を出す。


「させはせんよ!! ベル!!」

「分かってるわ!!」


 黒い熱風(ハエ)が周囲に渦巻く。ベルゼブブのオドを喰らう“アレ”だろう。

 それに阻まれ、裏次元へと逃げ出せないニーズヘッグが焦った様に体をくねらせた。直径が10mもある巨体が蠢けば、それだけで脅威に成る。


 ビタンビタンと狂った様に暴れ回るニーズヘッグ。その無数に分かれた尻尾が、俺を近づけまいと襲い掛かる。


「オオーーーーーン!!」


 その尻尾の攻撃をウリが引き裂き、バラキがミカがセアルティ―が分身しながら食らいつき、ガブリとラファが体当たりで退ける。


『【支援】【詠唱破棄】魔法名【ファイアランス】デス!!!!』

「ん!!【詠唱破棄】、【ファイアランス】!!!!」


 そして、ジャンヌとイブが魔法で迎撃する。


 尻尾でも攻撃が悉く俺に届かないと分かったニーズヘッグが、俺を丸のみにしようと飛び掛って来た。

 無数に枝分かれした胴体をバネの様に使い、一気に加速する。

 だが俺は、それを紙一重で避けながらも体内循環を加速させ、胴体に切り掛かかった。高速形態は伊達じゃねぇんだよっ!!


「おお!! うおおおおおおおお!!!!」


 ファティマを回転させる様に加速させ、ニーズヘッグの身体を分断する。


 が。


「は?」


 切り裂いた傷口が()()()()()()解れ、新たな尻尾となる。

 その逆の尻尾の方も一旦(ほぐ)れると、まるで逆回しの映像でも見ているかの様に頭部が形成された。

 超再生とかそんな物じゃ無い!! 何だ? これは!!


「流石は“竜”と言った所か!! 厄っ介っではあるなっ!!」

「再生する割にはオドが減らないのよね。どんなカラクリなのかしら?」


 二体に分かれたニーズヘッグが、再び俺に襲い掛かる。それを怪人態に成ったバフォメットとベルゼブブがいなした。


「ライバルッ、トーーールよっ!! おそらく奴はっ吾輩がライバル、トーーーールの内包オドを狙って来るぞ?」

「そうね、この場で、内包してるオドが最も大きいのアンタだもんね。この場のオドが枯渇してる事を考えればそう成るわ」


 ハッ! ちょうど、邪竜の時とは逆になるって事か。まぁ良い、俺に攻撃が集中するってのなら、好都合だ!!


「バフォメット、片方は()()()

「フッ、()()()()


 背中合わせから同時に飛び出す。俺は元頭部だった方へと、バフォメットとベルゼブブは元尻尾の方へと、だ。


 イブ達の魔法攻撃が降り注ぎ、ニーズヘッグが身をくねらせ、暴れ回る。

 俺がニーズヘッグの懐へと潜り込もうと加速すると、ウリが並走して来た。俺は思わずニヤリとする。


「ウリィィィィィィィィィ!!!!」

「オオーーーーーーーーン!!!!」


 魔力外装を纏ったウリがジャンプするのに合わせて、俺はファティマをフルスイングした。


 ドンッッッ!!!!


 俺の攻撃は()()()()()()。それがどういう事か分かるか?

 そのファティマに()()()ウリは、音速を超え、その衝撃波でニーズヘッグを食い破った。


 確かに未だ俺自身は音速の壁を破った時の状態を再現する事が出来ていない。

 だが、ウリは、俺を()()()()()()()()()()音の壁を超えるステージに辿り着いた。

 まったく、どんな戦闘センスをしてやがんだつーの!!


 だが、大穴を開けたハズのニーズヘッグは、流石に増殖こそしなかった物の、さっきと同じ様に傷口を解き、その穴を塞いだ。


 これでもダメなのか!? なら!!


 ファティマを回転させ、襲い掛かって来る尻尾を切り裂く。


「なぁ、ニーズヘッグ!! 細切れになっても、同じ事が出来るか!!」


 俺の行動を見て、犬達もニーズヘッグの尻尾を食いちぎり切り裂き始めた。

 俺が胴体を真っ二つにした時、確かにコイツは再生して見せた。だが、その質量自体は確かに半減してる。

 胴体を薙ぎ払っても、大穴を開けても再生するってんなら、磨り潰すのはどうだ?

 確かに、ニーズヘッグの身体は無数に枝分かれをしているが、だからと言って無限って訳でもない。


 さぁ、お前が磨り潰されるのが早いか、俺達が音を上げるのが早いか、勝負だ!! ニーズヘッグ!!!!

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