起こるべくして起こった事
軍が集まったからって、即進軍ってぇ訳には行かない。
一先ず降伏勧告をしなけりゃ、こっちが“無法者”の誹りを受けかねない。
『既に戦争状態じゃん?』とは思うけど、新たに別の国々から派兵されて来てるんだから、そこは一旦仕切り直しって言うか、それでも『そっちの国の行動が目に余るから、こっちの味方をするんだからねっ!』って言う宣言は必要らしい。ツンデレ風味でやっちゃいないだろうけど。
まぁ、そう言った事も含めて、『こっち、人集めたから、大人しく降伏しときな?』的な勧告やね。被害無く終わるんなら、まぁ、その方が良いんだろうけど、多分無駄だし、使者の人は多分痛ましい事になるとは思う。ぶっちゃけ、ただの人身御供にしか成らないだろうしなぁ。相手魔族だし。
いや、一応、連合軍会議で、『それ無駄になりますよ』って進言はしたんだけと、形として必要だし、『自分達の所に、その様な弱腰な兵など居ない!』とかって押し切られたんよね。何か、兵の数=発言権の大きさみたいな雰囲気に成ってて、それ故か気の大きくなった将軍様達からすると、俺の発言は“怖気づいた”って風に取られたらしい。いや、俺の言葉、単なる事実でしかないんだがなぁ。相手魔族だし。
それ以上に、既に勝った心算で、その後の発言権を大きくしたいのか、マウント合戦始めちまってるのが『なんだかなぁ』って言うね。
そんな感じで、使者立てるのも総兵数の多い将軍様達の所から連名って事で数人ずつ出されて、俺はと言えば、『怖かったらママのおっぱいしゃぶってな(意訳)』的嘲笑受けて、自分のテントで待機する事になった。
いや、使ってるのテントじゃなくてキャンピングカーだけど。
別に将軍様方全員“わからせ”ても良かったんだけど、俺は魔族の相手をして、味方被害減らすのが役目だし、それの邪魔だけされなければ良いかな? とか思って放置する事にしたんよね。ぶっちゃけ、あまり派手な事して、その辺の将軍達にこれ以上警戒されるのも何だし。
どうも、どっかから、俺の噂を聞きつけているらしくて、警戒と共に、マウント取って俺を活躍させない様にしようとして来るのが何とも。
まぁ、実害が無い限りは泳がせとく方針で。
取り敢えず、使者にされちゃった不幸な人の冥福を祈って仏像を彫っておく。
別に、『そこまで言うなら、自分の所で納得するまで被害出せば良イじゃナァイ』とか思った訳じゃないよ? いよいよ?
だって、被害を減らすのが俺の仕事ですしおすし。
てか、適当な木片拾ってきて彫ってみたけど、バルサ材やサイコウッドに比べると彫りづらいなコレ。
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万魔殿からの返事は、それほど掛からず来たらしい。って言うのも、俺が起きた時にはその騒ぎは既に終わってたからなぁ。
使者だった者達は、その日の早朝に、投げ送られて来たらしいんだわ。干からびたゾンビ―の状態で。
干からびたゾンビ―だからミイラなんかね? まぁ、どうでも良いけど。
突如、万魔殿方面から飛来して来た彼等は『降伏はしない! 徹底抗戦である!!』とか喚き散らしながら、周囲の兵士達を襲って行ったらしい。
超遠距離からの投擲でこれかよ。流石に予想外だった。こんなもん気配探るどころじゃねぇわ。
とは言え、その返答は、隊長格の兵士に斬り捨てられたらしいんだけど、それでも少なくない被害は出たそうな。
そんで今、各国の将軍格が集まって会議中らしい。俺、呼ばれてねぇけど。
とは言え、聞いてる限りじゃ、各国の将軍様方、かなり焦ってるらしいんよね。何せ、魔法戦やら何やら想定して、数十km手前に布陣してるってのに、向こうは何時でも直接こっちの陣地を狙えるって証明して見せてる訳だしな。
これ、早々に俺の出番来るかも知れんな。




