そういう事になった
周辺諸国の話し合いが纏まったと、国王陛下からの連絡がルールールー経由で入った。
つまりは、本格的に万魔殿を包囲殲滅する準備が整ったってぇ事だ。
とは言え、万魔殿本国の王都は確実に攻め滅ぼす事が決定してる訳だが、その周辺の街や村は、なるべく元の国々へと返還し、その復興の支援もするらしいが。
……どれだけ住人が残ってるかねぇ。万魔殿の兵士達の、あの様子だと。
それが分かってて、傍観貫いてた俺も、いい加減ろくでなしだよなぁ。
それはさておき、家の国は、万魔殿の最大戦力の一角であろうアポリオンからの攻撃が有ったとは言え、それを大した被害もなく撃退した事で、あまり話題にもならなかったからか、積極的派兵依頼とかは無く、後方腕組み支援国面ってぇ形で貢献する事に成ったらしい。
まぁ、大怪獣決戦が有ったってぇ噂くらいには成ってたらしいが、それ聞いた人間の殆どが、幻覚か白昼夢か、それでなければ誇大報告の類みたいに思ったらしく、半信半疑か、プロパガンダを疑ってるっぽいけどな。俺も他人事だったら話半分以下で聞いてるだろうし、まぁ、世間なんてそんなもん、そんなもん。
「とは言え、トール様は万魔殿攻略の方に協力と言った形に成りますが」
「左為ですか」
執務室で報告を聞きながら、ルールールーの言葉に苦笑する。まぁ、さもありなんって所だぁね。これでも俺、【ドラゴンスレイヤー】ですしおすし。
取り敢えず、【誓狼騎士団】を引き連れての派兵は決まったっぽいんで、騎士団長に人員の選別を頼む為に彼を呼んで貰う。
正直、相手が魔族ってぇだけでも、か〜な〜り〜、厳しい戦いになるのは決定してるから、騎士団に被害無く何てのは、甘すぎる期待に過ぎないとは分かってはいるが、それでも、誰一人欠けることなく事が済めば良いと願わずには居られない。
足元のミカとバラキが、俺の不安を感じ取ったのか、頭を擦り付けてきたのでモフっておく。
騎士団長が執務室に来たので、イブにお茶を頼み、ソファーの方に座って騎士団長にも着席を促すと、回りくどい言い方もアレなんで、彼には厳しい戦いに成るってのも言い含めて、団員の選別をする様に言い渡した。
「トール様とハッパーボ卿に鍛えられましたから、平気ですよ」
一寸遠い目をして騎士団長が言う。ハッパーボ……あぁ、バフォメットか。
そう言や、アイツ、修行に出たまま帰って来てないな、野垂れ死んでる可能性は低いと思うけど、今、何処に居るんだろうな。
いや、アイツの本拠地傭兵国だから、うちの領地に“帰って”ってのはおかしな話なんだが。
そもそもアイツ、俺と戦いたいが為に、居ただけだし。
騒がしいし鬱陶しいから、好きこのんで近付きたいとは思わん相手だが、それでも特訓相手としては申し分ない相手では有ったから、そう言う意味では、気になってはいる。普段の相手にはしたくないが。
ともあれ、俺の方は万魔殿への派兵に行かにゃならん訳だから、そっちの仕度の為にも、今ある仕事を巻きで片付けますかね。




