武器をおちょくる48の殺人技の一つ
『【嘆息】全く、埒があきませんね、この手は使いたくなかった……使いたくなど無かったのです!! えぇ、本当に!!!!』
無言でプルプルしてるだけで、全く話す気配を見せないホムンクルスに、ファティマがウンザリした感じでと首を振った後、苦悩に満ちた雰囲気で、そう声を荒げた。
『【召喚】カモン! 能天気吸血鬼ぃ!!』
「喚っばれて飛っび出てジャジャジャジャ〜ン!!」
いや、最初から同席してただろうよおまい。挙げ句、その登場台詞だと、おまい魔王って事に成るんじゃが? あれ? その娘も同じセリフだったっけ? まぁそもそも、クシャミもアクビもしてないんだがね。
まぁ、その辺は置いておいて、確かにラミアーなら【精神感応】を使えるから、成る程、ホムンクルスの精神を読めるってぇ事な訳だな。
だけど、ラミアーに精神を読み取らせるってぇだけなら、ファティマがここまで嫌がる事もない。だが、コイツはそれやる為の条件を付けて来たんよね。
「ほんじゃ、行っくよぉ?」
「はいはい、やっとくれ」
まぁ予想は付いてるだろうけど、いつも通りのアレだ。俺の返事でラミアーが俺の首筋をカプリと甘噛みし、チロチロし始める。
いや、だからチロチロは止めろチロチロは!!
ゾワッとするんだよ! それ!!
ファティマから睨んでいる様な雰囲気を感じる。いや、俺じゃなくラミアーに対して。
ファティマがラミアー使うのを嫌がってたのはコレが有るからだな。大きく【超能力】を使う時には、エネルギーが必要らしいんだよなぁ、ラミアー。
自己申告だし、最初に【超能力】使ってた時は普通に使ってた気がするんじゃが、まあ、本人が言ってるんだし、そう言う事なんだろう。最早ツッコまんよ、俺は。
で、その度に俺から【プラーナ】を持って行くんだが、その方法がまぁ、これな訳だな。んで、俺が若干でも不愉快そうな事をラミアーがやるんで、ファティマが嫌がってるってぇ訳だ。
『思考を読む』ってぇ事だけなら、ティネッツエちゃんも出来る訳だけど、ラミアー程ハッキリとした言語化が出来ないんよね。まぁ、嘘をついてるかどうかを確認するんだったら、ティネッツエちゃんの能力の方が使い勝手が良いんだけんども。
向こうは基本的な種族的特性の様な物で、その力を使う事に特別コストとか掛からんからな。
どちらかと言えば、普段抑えてる位だし。
ハッキリとした言語として読み取るのは、ラミアーのソレの方に軍配が上がるから、こういう時はラミアーに能力使って貰った方が良いんよね。てか、対価が必要なのは分かるけど、別に俺がラミアーに【ブラーナ】を注入したって良いし、俺から【プラーナ】摂取するにしたって、その度に舌先でチロチロする必要なんざ無いんだから、マジやめてほしいんだわ。特にファティマやジャンヌが一緒の時は、確実に聖武器’sのヘイト買う訳だし。
絶対、ラミアー、俺の反応楽しんでるだけなんだから、余計なヘイトとか集めんで欲しいんよね。




