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絵面がアレだけども

 角犬達は予想通りと言うか何と言うか、リカントと言う魔物だったわ。ファティマ曰く。


 一先ず、彼等はミカの配下って事で、“扉”の管理を任せる事に。

 とは言え、こっちの人間が行った時に案内して貰うってだけの話で、普段は普通に生活して貰う事に成ってる。

 ぶっちゃけ、俺がリカントの個人個人の顔を見分けられるのは、ミカ達(かぞく)と長い間付き合ってるからって事も有るからで、普通に特徴が無ければ一般の人間には見分ける事は困難だろう。

 実際、調査団とかに居た連中は、リカントの個体差の見分けはつかなかったし。


 それはつまり、リカント達も人間の顔の見分けは付かないって事で、ただ、一回会った事が有る相手なら、臭いで判別が出来るらしい。


 なんで、この宝物庫に繋がる“扉”を使う場合は、最低でも一人は来た事が有る人間が混じってるか、もしくは判別できる様に“通行証”の様な物を持たせる事に成った。ドッグタグで良いかな? 角犬だし。


 それはそれとして、“扉”が動きまくってるのは色々と面倒臭いから、何とか出来ないかねぇ。ファティマ達、聖武器も、流石に“扉”は管轄が違うらしく、『細かい仕様までは分からない』ってぇ事だった。


 まぁ、その辺もおいおい研究していかんとなぁ。現物も有る事だし。


 ******


「何だろうな、この背徳感」

『【不要】気にしなくて構いません』

『【無用】所詮は道具に過ぎないデェス』


 俺達の前には椅子に縛られプルプルと震えるホムンクルス。未熟な少女と言った外見のそれをこうして拘束して周囲を囲んでいる様は、何と言うか非常にアレな絵面だやな。

 街に戻ってからは、基本的には領主館に有る空いてる小部屋に、監禁と言うか勾留してるんだが、『取り敢えず、色々と尋問と言うか聞き取りをしなけりゃいかんだろう』って事で、今はこうして椅子に縛り付けて色々と問い質してる訳なんだが……


「しゃべんないな」

「ん」


 このホムンクルス、プルプル震えてるだけで、こっちと会話をしようとしない。この聞き取りに同席しているイブも、首を傾げ不思議そうにしている。


 声に反応してるのか、時折こっちに視線を寄越すものの、口を開かないんよね。

 正直、あまり痛めつけてってぇやり方はしたくはないんだわ。いや、相手が完全に敵対してきてる様な輩なら、その事に躊躇しないし、手加減とかする気もないんだが、ホムンクルスは攻撃してきたとはいえ、それは飽くまで、あの宝物庫の部屋を護る為の防衛機構としての行動でしかなく、悪意を持って敵対したってぇ訳じゃ無し、そもそも相手が俺だったってぇ事で、機能不全を起こしたせいで、まともに攻撃を仕掛けられても無いんだよなぁ。

 そもそも重力攻撃はレジストしてたし。


 その後、俺にとっ捕まってからは、プルプル震えてただけだから、俺的にはそれ程敵対していたってぇ感覚も薄いんよね。

 とは言え、何も話さない状態ってのも『反抗の意志あり』ってぇ事でもあると取られかねないと思うんだが、その辺り、どう思ってるんじゃろか? まぁ、その事も含めて聞きたくても話してくれないんだけんども。


 何かこの頃、意思疎通関係が厳しい輩を相手にすること多くないか? まぁ、良いけど。


 てか、本当に面倒だわ異種族間交流。

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