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プルプル悪い領主じゃないよ?

「数の暴力って素敵だなぁ」


 眼の前に有る“扉”を見ながらそう呟く。


 あの後ね、実にあっさり大森林の方に繋がってる“扉”、見つかったんよ。

 俺達だと人手が足りなくて出来なかった事でも、200人……匹? まぁ、どっちでも良いか。近くの人手があれば、こんなに簡単に見つける事も出来る訳だ。

 数は力なんだよ兄さん! 兄さん?


 もっとも、これほど早く見つけられたのは、彼らがジモティーだって事も大きかったんだがね。

 件の“扉”、大体同じ場所を周回しているものらしく、角犬達、“扉”の通っているおおよその場所を把握していたんだわ。


「あ、あの……」

「気にしないで、先に戻ってくれ」


 調査隊の面々がお互いに顔を見合わせるが、 流石に調査隊のメンバーには一旦お帰り頂く。そもそも確認するだけの予定だったのが、こんな事に成っちまったからなぁ。

 入って直ぐに宝物の有る場所かと思ってたら、ワンダリングする“扉”を探して三千里的な? いや、三千里も移動して無いけど。


 当然、本来通じて居る筈の部屋……ホムンクルスの守っていたあそこやね。の調査も出来ず仕舞いで、調査隊の面々は残念がってたけど、想定外の事が有って、一応にも安全マージンが取れたとは言え、いや、取れたからこそ、仕切り直しってぇ事で、【ソードオブグローリー】の面々と一緒にお帰り頂く訳だ。

 “扉”潜って戻っても、未だ大森林の中だ。【ソードオブグローリー】が護衛に付いてくれなければ、危なくて戻るに戻れんだろうさ。


 で、何で俺達が一緒に行かないかといえば、まぁ、まだ一寸やらんといけない事が有るから。

 俺個人としては『やらんといかんのか?』ってぇ疑問も残る事なんよね。

 いや、理屈では分かってるんだが、どうしてもなぁ。


 ******


 まぁ、そんな感じで角犬達のご褒美タイム。“扉”を探す事とのトレードオフってぇ事やね。

 最初は、こんなひび割れた荒野の、それも渓谷の底に住んでるんだから、食料とかが良いのかな? とか思ってたんだけどね。


「オオン!」

「バウ!」

「バウバウ!!」


 ミカに踏まれて、喜びの声をあげながら腹を晒し、ゴロゴロ転がる角犬達。それで良いのかおまいら。


 まぁ俺の方も俺の方で、【プラーナ】を少し流しつつ角犬達をワシャッてる訳だが。主に雌角犬をバラキの監視の中で。


 いや、俺が監視されてる訳じゃなく、バラキが監視してるのは、ワシャられてる雌角犬達の方。

 多分あれだ、前世で有った握手会みたいな感じのノリなんだと思う。

 この辺、何やら雌角犬達とバラキとの間で、色々話し合いの様な事が有ったっぽく、色々な提案、願望、欲望、却下、交渉、妥協なんかが有った末に、こんな形に成った様なんだわ。

 “扉”を探して貰ったんだから、褒美が必須なのは分かるんだが、なんだかなぁって感じ。


 ……てか、会話が通じるんな、(ミカ)達と角犬達。


 それは兎も角として、ここの【宝物庫】も確保はしておきたい所。ホムンクルスを保管している場所でもあるし、他のホムンクルスの稼働も見ておきたい。


 うん、最初の()()以外にも保管してあるホムンクルスは存在していた。

 正直な話、ホムンクルスの脅威度か同等であるなら、放置するのも問題だろう。


 だからと言って、安易にジェノサ〜イとは行かないからなぁ。

 だとすれば、今後もここには来るだろうから、まぁ角犬と友好を築いて置くのも、悪い事じゃ無かろうさ。

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