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万端に準備した事柄は、大抵無駄になる

 遅くなりました。

 申し訳ない。

『【報告】アドミニストレーター!! “扉”っ出たデェス!!!!』

「は?」


 ジャンヌからの【念話】に、一瞬思考が停止する。

 いや、相手が動いてる以上、いつ、目視できる場所に出て来ても可笑しくは無かったんだが、このタイミングでか!! 万全で日数を掛ける準備をしたその日に“扉”が見つかる。コレがマーフィーの法則と言うものか!!


 ってか!!


「っ!! 確保おおおぉぉぉぉぉ!!!!」

『【了解】ラジャー―――デェスッ!!!!』


 瞬く間に垂直下降したジャンヌと【念話】で意識をリンクし、ファティマと共に、そのまったり空間から飛び出す。


「“扉”が、見つかった!!」


 そう叫ぶと、ミカとバラキが瞬時に俺に付いて飛び出し、イブもティネッツエちゃんを抱き抱えると、蝶々の翅のエフェクトを出現させて追従して来る。


「ラミアーとセフィは荷物回収して追って来てくれ!!」

「らじゃーりょーかーい」

『はこぶよぉ』


 ラミアーなら【短距離転移(テレポーテーション)】が使えるから、後追いも出来るだろう。場所か分からなくなっても【精神感応(テレバシー)】使えるし!


 と、セフィがギルド職員と【ソードオブグローリー】の面々を成長させた蔓で包み込み、ラミアーが【念動力(サイコキネシス)】で、その蔓ごと持ち上げた。


 そう言えば、俺達なら兎も角、普通の面々は、こっちの機動力には付いて来れんのか。ちょっと、自分達が規格外って意識が薄くなってたわ。

 この所、俺の所に来る面々、なんだかんだ言って俺達に付いて来られる奴等ばっかりだったし、魔族に関しては、下手すりゃ俺以上のフィジカルのある奴等とかもいる訳だしなぁ。特に【借力】とか使いやがるやつとか。


 だもんで、まさか、反応すらしてないとは思わなんだわ。まぁ、【ソードオブグローリー】の奴等は、俺達の後を追うか、ギルドの面子を護るかで迷ったんで動きが止まっちまったみたいだけれども。

 とは言え、彼等にしてみれば、俺達も護衛対象ではあるからな。その辺はしょうがないっちゃ、しょうがない。


 まぁ、ギルドの人達も【ソードオブグローリー】の面々も、拠点に荷物とか置きっぱだろうから、ラミアー達と一緒に追って来てもらう事にしよう。


 まぁ、傍から見ると、牢屋ごと運ばれてる囚人と言うか鳥籠に捕らわれた鳥達と言うか、虫かごの虫達に見えると言うか何と言うか。


 まぁ、それは兎も角、先ずは“扉”の確保だ!! これが、自分達の所に繋がってる“扉”なら、何も問題は無いんだが……

 俺は、【念話】を通じてリンクしたジャンヌの所へと向かい、空中を駆けて行く。そう時間も掛からずに、“扉”とそれに並走するジャンヌを見つけた。


 問題は、コレが何処に繋がってるかってぇ事な訳だ。“扉”の性質上、こっちから空気を吸い込んでいる様子もないし、この向こうが真空って事も、逆にこっちに水が溢れ出て来る事も無いって状況から、向こうが水の中って事もない、筈だ。


「ラミアー達が来る前に確認しとくか?」

『【同意】マイマスターであれば、特に問題は無いかと』

『【反論】ここに来るのは宝物庫だって分かって居るから問題なかったデス。でも、ここから繋がってるのが何処か分からないのなら、リスクしかないのデェス。なら、先ずは、環境に影響を受け難い聖武器が行くべきデェス。具体的には聖斧が行けば良いのデェス!!』

『【冷笑】であれば、聖槍が行っても変わりは無いと愚考いたします。と言うか、行ったまま戻ってこなければ良いのに』


 この所は結構仲良くやってると思ってたんだが、未だに多少、確執は有るんな。


「まぁ、間を取って、俺が確認して来るから取り敢えず待っててくれ」


 そう言って、俺は制止して来た聖武器’Sを敢えて無視して“扉”を潜った。

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