一応にも神である
遅くなりました。申し訳ない。
『なんじら、つみなし!』
「「「「ははぁ~っ!!」」」」
なんぞ、偉そうに言い渡してるセフィに、【ソードオブグローリー】の面々が傅いて有難そうに首を垂れる。
いや、彼らに罪が無いのはその通りだけど、加害者側が言って良い台詞じゃぁねぇぞ、と。
取り敢えず、当事者本人が問題ないって言ってるのだから、それで収めなさいなって事で、イブとセフィを納得させたんだがね。
一先ず、【ソードオブグローリー】の面々も、外傷は無い様なんで、どうにか謝罪と賠償金で手打ちにして貰おうとか思ってた所、何でがセフィの一声でこんな感じ。
「いや、セフィ、お前何やった?」
『とーるんの、まねぇ〜』
『【納得】見事なSETTOKUでした』
いや! マジで何やらかした!?
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【ソードオブグローリー】の面々は、頑なに『大丈夫だ気にしない』を繰り返すんで、あまり謝罪を強行してもアレだから、この辺で手打ちって事にする。
「いや、宝箱にトラップなんて、基本中の基本だと言うのに、それを失念していた我々の落ち度だ。むしろ責められて当然……いや、むしろ罵ってくれた方が! 全身を締め付けて! 蔓で打ってくれて構わない!! むしろ本望!!」
「み、見下した目で蔑まれるのがっ! ハァハァ」
「今度こそ! 耐える!! 耐えきって見せるのでっ!! もっと魔法を撃ってくれて構わないぃ!!」
「幼女のっ! お仕置きっ!」
「よし! 黙れ、おまいらっ!!」
ダメだコイツ等。すでに手遅れだ。ドエムのロリコンって、救いがなさ過ぎだろう。
うん、見なかった事にしよう。
「てか、コレが宝物庫の中だったとして、報酬とかどうしましょうかね?」
「はぁ、我々としても、この様な状態は初めての事でして……」
俺がギルドの職員さんに尋ねると、職員さんも汗をかきつつ困った表情をしてる。まぁ、そうだよな。見渡す限りの渓谷。しかも植物すらまばらにしか生えていない。その上、ここに居る全員が、この場所の事について似通った土地の知識すらない。要するに、全く見知らぬ土地に居るだけってぇ事な訳だ。
取り敢えず、レイドに参加してくれた冒険者達には、俺のポケットマネーから、幾らか出す事にするが、それでも、宝物庫の中には荒野しか有りませんでしたってのも『なんだかなぁ』って感じ。
今回のレイドに、俺は参加して無いけど、“結果”がコレだと、『骨折り損のくたびれ儲け』感が半端ない。それは実際に参加してたローリー達の方が大きいだろう。家の駄植物神が仕出かした事のお詫びも含めて、【ソードオブグローリー】の面々には、報酬に色付けてやらんとなぁ。
「まぁ、今回はこれで戻らないといけませんね」
「そうですね、その方が良いかと……」
非常に残念っぽい表情の職員さん。まぁ、お宝ザックザクだと思ってたら、何もない渓谷しかなかったとくれば、そうも成るだろう。
それは兎も角……出入り口の場所は……あ、そう言えば出入口の“扉”って、どこ行った?




