話は進んでたんじゃよ
遅くなった上に短いです。
申し訳ない。
万魔殿との戦争が小康状態とは言え、何か有れば迅速に動けなければいけないって事も有って、まだ調べていない“扉”の探索はお預け状態。
くそう、これも全てパズスって奴のせいだ。
とは言え、だからといって他の仕事が無いって訳でもなく、日々の書類仕事に精を出している訳だ。
嘆願、陳情に目を通し、公共事業なんかでの情報のすり合わせと会議。それに伴う面会やら何やら。
動く人が居れば居るだけ、動いてる事が有れば有るだけ、仕事ってのは増えるんよね。当たり前だけど。
特に、歓楽街の完成間近なんで、その辺りの事でも忙しい。
で、そんな忙しい状況にもかかわらず、そういう時に限ってイベントってのは起こる訳で。
「あ、宝物庫の守護者の討伐終わったんだ」
「はい、なので、宝物庫の方の確認をお願いしたく」
これが普通なら、宝物庫の中身は、討伐に参加した冒険者で頭割りって事に成るんだろうけど、今回は冒険者ギルドの方から『やらせて下さい』って言って来た物だし、そもそも開拓の依頼を出してるの俺だからな。
つまりは俺ってか、オーサキ領からの依頼で動いてるってぇ形に成る訳なんで、その辺りの優先権は俺に有るんよね。
てか、思ってたより、時間掛かったね。まぁ、安全最優先でやって貰ってたからなんだろうけど。
お蔭で、怪我人こそ出ては居るけど、死者は出でないっぽい。
まぁ、『死んででも使命を果たせ!』的な事なんざ考えんし、物語の傲慢なテンプレ貴族みたいに、『下賤な愚民共なぞ、いくら死んても構わん』とかって思考の持ち合わせも無いんで、人死が出てないなら、その方が良いんだがね。
ともあれ、宝物庫守護者の討伐に参加した冒険者には、金一封か、もしくは宝物庫内の品物で、自分1人で持てる程度の物は持って行って良いよってぇ事にして、その前に検分する事に。
何せ、宝物庫だと言った所で、その中身が金銀財宝って決まってる訳じゃぁ無いからな。出て来たのが多脚多砲塔戦車だったりしたら、冒険者連中、全滅必至だし。
家には、そう言った厄介なネタが出て来たとしても対応できるだけの戦力が有るし、その当時の生き証人たるファティマとジャンヌ、そして本人も宝物庫の守護者だったエクスシーアも居るからな。まぁ、鑑定的なものは、何とかなるだろう。




