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地雷って見えない所に埋まってるんよね

 遅くなり申し訳ない。

「美しいお嬢さん。わたしと、一曲、踊ってくださりませんか?」


 どこぞの新米領主であろう男性にそう言われ、ネフェル王女が俺の顔を伺う。

 相手は190cmは有るであろう偉丈夫で、ネフェル王女に比べれば、若干身長は低いが、がっしりとした身体つきは、彼女と並んでも見劣りはしない。


「構わないよ? 踊ってきなよ」


 俺の言葉に、若干の困惑を見せながらも、言葉に従って、ホールの中央へ歩み出る。


 護衛と言っても、常に一緒にいる必要もないし、俺以外の人間とも踊らんと角が立つしなぁ。

 そもそも、身長差有り過ぎて、俺とのダンスはステップ踏んでただけだし。

 たまにはちゃんと踊らんと、忘れっちまうだろうしな。


 そんな風に思って送り出したんだが、何か、ソイツ、王女の腰に手を回しながら、勝ち誇った様な表情で、俺を一瞥してから『さあ、行きましょう』とかって、エスコートして行った。いや、何よ?


 高身長の美男美女の登場で、会場がざわめく。まぁ、目麗しい男女のダンスは華が有るやね。

 会場の殆どの目がネフェル王女達に注がれて、中には嘆息する声も聞こえる。


 そのお陰でか、俺への挨拶攻勢も一旦空きが出来た。

 良し、この間に、ちょっと用をたしておこう。


 ******


 お手洗いから戻ると、何か、会場がざわついていた。

 何じゃろか? とか思っていると、イブとファティマが俺の所まで寄った来た。


『【報告】個体名【ネフェル】王女と何処ぞの阿呆が、一触即発です』


 ファティマの言葉に、イブもコクコクと頷く。いや、何処ぞの阿呆て……

 そもそも、王女、新米領主と踊ってたんじゃなかったっけ?

 そう言えば、あの領主、何て名前だったっけか。

 今日、挨拶した人数が多すぎて、イマイチ覚えきれんかったわ。まぁ、良いか。


 そんな事を考えながら、騒ぎが起きている場所まで行くと、そこにいたのは氷の様な冷え切った眼差しのネフェル王女と、何か必死で王女に言い募っている、件の新米領主の姿。


 ……何処ぞの阿呆って、あの領主かよ。一応にも近隣の領主なんだけど、先代と長男が事故で亡くなったんで、お鉢が回って来たんだったか?


 その事を()()()()()()()()()()みたいに自慢してたから、顔だけは印象に有る。顔だけは。

 先代の顔をよく覚えてないのは、多分、その他の領主さん達に埋没してて、挨拶をしたのも1回2回程度だったからだと思う。いや、それも憶測なんだけれども。マジ印象に無いんよ。


『【嘆息】覚えている価値も無いので、それで良いかと』


 ファティマの反応からすると、積極的敵対こそしないものの、決して好意的では無かったってぇ所かな?

 締め上げる程では無いけど、商会の支店を作るまでもない位の。多分向うも積極的に誘致はして来なかった感じの、可もなく不可もなく的な。


 まぁ、印象に残ってないならしようがないか。

 それは兎も角、何が有ったんだ? ネフェル王女と阿呆領主にさぁ。

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