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ある意味、当然の反応で

「公爵夫人! トールをワシに下さいなのじゃ!! あぎゃ!!!!」


 取り敢えずエリスの顔面を鷲掴みにして吊り上げる。いきなり何言ってんだこの女王様はよぉ。幼馴染の気安さったって、弁えるべき一線ってのが有るだろうが! 俺が、現状の結婚の事について第二夫人(ママン)に尋ねようと思って、いったん解散して第二夫人の部屋に向った時に、エリスが一緒に来るって言ったんで同行を許可したんだが、着いての第一声がこれだった訳だ。

 他の同行人のイブ、ファティマとジャンヌ、ネフェル王女も若干呆れ気味の視線。

 ミカとバラキは我関せずで寝転んでるし、ラミアーとセフィもゴロゴロしてるけど……自由だなおまいら。


 第一、第二夫人は後見人であって保護者ってぇ訳でも無いんだから、俺の婚約やら結婚についての何らかの権限を持ってるってぇ訳じゃぁねぇんよ。

 いや、実際は産みの親ではあるんだが、公式的にはなぁ?

 その事については一応、誰にも話した事は無いんだが、まぁ、俺や第二夫人の態度から察してる者も結構いるみたいなんだがね。直接聞いては来ないから、俺も答えはしてないんだわ。


 まぁ、それはそれとして、俺の婚約者や結婚そのものの問題だ。


「えっと、俺もそろそろ結婚しなけりゃいけない年齢なので、その辺り、貴族としてどうすれば良いかご相談に……」


 俺がそう言ったら、第二夫人、真っ青になって倒れかかる。急いでエリスを放り捨て、第二夫人を抱き抱えた。

 イブとファティマがそれを見て、隣の侍女の控室へと走る。


「ふ、夫人!?」

「トール様、奥様をベッドへ」


 と、ジョアンナさんも直ぐに第二夫人の元まで来て、彼女の様子を窺ってくれる。俺もジョアンナさんの言葉に従って、第二夫人をベッドへと運んだ。


 ベッドに寝かされ、イブとファティマが用意した濡れタオルを乗せられた第二夫人は、暫く呼吸を荒くしていたが、落ち着いたのか、上半身をゆっくりと起こした。即座にジョアンナさんがファティマに渡されたクッションを第二夫人の背中へと入れる。


「御免なさい、驚いてしまって……」


 え? そこまで?

 とも思ったが、そう言えば、子供(おれたち)を取り上げられた精神的ショックで錯乱状態にまでなったんだった。俺が色々と手を尽くして今の状態にまで恢復したけど、その為に、結構俺に依存している所は有る。

 まぁ、その辺り、しょうがないって部分も有って、俺も許容してるんだけど。


 そんな息子から『結婚し(すだち)たいんだけど』的な事を言われれば、卒倒しても仕方ない所は有るわな。

 とは言え、貴族の義務としてはそろそろ考えないといけない所なんで……


「まだトールちゃんの結婚は許しません」

「……はい?」


 言い切られた。


「まだトールちゃんは幼い子供なのよ? まだまだお母さん(わたくし)の保護のもとに居るべきだと思うのだけれど、違うのかしら?」


 ジョアンナさんもうんうんと頷いてるよ? いや、確かに実年齢で言えば8歳にも成って無いんだから、親の保護下に居るべき年齢なんだろうけどさ。公表してる年齢的には結婚(そういうこと)を考えないといけない年齢何よ。まぁ、俺もエリスに言われるまで忘れてたけんども!


 てか、第二夫人、俺が実子だって事、全く隠す気無いよね!?

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