安定のエリス
毎度毎度申し訳ない。
今回はここ迄で限界でした。
むふぅ、と鼻息も荒く、隣国の女王は仁王立ちに成った。
「弟も生まれ、わが国は、コレで安泰なのじゃ!! ならば次に目指すのは外交!! 強国との繋がりを強化する必要があるのじゃ!!」
チラッチラッと俺を見ながらじゃ無かったら国のトップとして、至極まっとうな台詞だわ。そして俺のは個人戦力なんで、直接的な国力とは関係ありませんから!!
いやまぁ、言わんとする事は分かるんよ。ただ、それと同時に『まだ早計じゃね?』と、思わんでもない。弟が生まれたって言ってもまだ新生児だろう? まだまだ目が離せない時期じゃん?
うん、『お前が言うな』と言われそうだが、俺はほら、前世が生えてたから、一寸一般とは違っててなぁ?
それはそれとして、まぁ、エリスが何を言いたいのかも理解している。
これも俺が言うなってぇ事ではあるが、エリスとしては、一国のトップに成らざるを得なかったが故に諦めなければいけなかった……ある種の“夢”に、手を伸ばせそうな訳なんだから。その事で気分が高揚してるってのも有るんだろう。
「ハネムーンは海外が良いのじゃ!」
「話が飛びすぎだドアホウ!!」
全くエリスはエリスだったわ。
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エリスが態々こんな所まで来て言いたいのは、つまりはこう言う事なんだろう。『跡継ぎが生まれたから、王位をとっとと継承して、身軽に成るから結婚を前提として婚約をしませう』……って感じのなぁ。
ただ、さっきも触れたが、生まれた弟ってのはまだまだ赤ん坊な訳だ。どれ程急いだとしても、後10年は引き継がせるなんて訳には行かないだろうし、成長した後の適正の問題だってある。いやまぁ、それ迄問題なくても、女で身持ちを崩した輩の例が身近に居る訳だし、その辺も慎重に見定めなけりゃいけないと思うし。
まぁ、何にせよ今すぐどうこう出来る話ではないし、できれば、元国王には頑張って貰って、もう一人男児を確保して貰えれば、安定するだろうさね。




