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戻るのも久しぶり

 領都の方の開発は、俺が居ない間にも進んでて、歓楽街の箱物はもうほとんど出来上がっていた。後はプレオープンやら、それを踏まえての調整やらをして、正式にオープンする位だろう。


 まぁ、俺も居ない方が多い領主なんで、町の皆も、最早慣れたもんだぁね。

 その為の代表制度な訳だから、上手く機能してる様で一安心だってぇ感じだわ。それ以上に、家の領館のメイド達が、予想以上に文官の仕事をこなせる様になっているのが頼もしい。この辺りはヘンリエッタ王女に感謝と言った所だ。まぁ、実際に家のメイド衆を鍛えてくれたのは、王女お付きの侍女さん達なんだけどさ。彼女達に言っても『ヘンリエッタ王女がお求めでしたので』としか言わんので、ヘンリエッタ王女に感謝をしておく訳だ。貴族的な遠回しな言い回しと言うやつやね。要は『自分達は良いから、王女に感謝して、娶ってくれ』的な?

 もしかすると聖王国から、そんな風に言われてるからなのかもしれんが、そう言う圧を感じるんだわ。全力で流すけど。


 感謝すれども、“それはそれコレはコレ”と言う事で。


 一応にも万魔殿を退けたってぇ事で、家の領地に商人の来訪が多い。それだけ周辺国が万魔殿に併呑され、行く場所がなくなって来てるってぇ事でもある訳だが。


 周辺国が併呑されてる事による弊害は、それだけに留まっていない。何かと言えば、難民が流入して居るんだわ。それも大量になぁ。


 万魔殿に侵略された国の世紀末っぷりを聞けば、脱出組が居ない方は可笑しいってぇレベルなんだが、それでもまだ、そこそこ国の数が有るってのに、何で遠い家の国に来るんかね?


『【当然】マイマスターの武勇を聞いたからでしょう』

「うん? 魔族(アポリオン)を退けたのは、つい最近だぞ?」


 なのに武勇が広まってるって、どう言う事よ。


『【嘆息】それ以前から、マイマスターは万魔殿の軍を幾つもの国で退けていますから』


 あぁ、そんな事やってたわ。国王陛下(セルヴィスおじさん)の命令で。その噂を聞きつけてってぇ事なんか。まぁ、良いけど。


 丁度、元荒れ地にも色々造ろうとか思ってたから、今回の歓楽街の区画整理時も終わって、暇になっただろう人材をそっちの方に送ろうとか考えてたけど、ついでにその辺りの難民の仕事の斡旋も出来るな。


 土木だけじゃなく、そう言った労働者目当ての食事やら宿泊やら、その派生で掃除に洗濯の出来る人達も必要だし、事によっちゃぁ、荒事を治められる人材だって必要かもしれんし、人が集まるってのなら、()()も必要な訳だ。

 今回の歓楽街同様、こっちでコントロールしてやらんと、変にそう言った裏の家業の人間が()()()来たら色々と面倒な事に成って来るからなぁ。


 難民が謬入して来るって言うなら、適切に管理する人間ってのはどうしても必要なんだわ。何せ、国が違えば常識も違う。家では禁止されてる事でも、余所の国じゃ問題ないなんて事、当たり前に有る。ちょっとアレな事例に成っちまうが、余所の国じゃ、町中の一寸隠れた場所なんて、当たり前に用を足す事が出来たりするが、家の領の特に街中だと、兵士に捕まって厳重注意をされちまう。


 この辺は俺の知識と、この世界の知識との間に差異があるからだな。俺は、そう言った物が感染リスクを高めちまう事を()()()()()が、そんな事の関係性を知っている者がいなけりゃ、別に構わないと思う事だってある。


 ただ、俺としては、衛生と疫病とかの言葉なくたって、単純に臭いのは嫌なんだが、この世界の人間の常識の中に、臭いのは嫌だってのは無いのかね?

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