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そして後始末

 またしても、まんまとアポリオンに逃げられた。いや、アレはしょうがないだろうよ。ってか、何? あの変態する変態。

 何と言うか、肉体的疲労もそうだけど、精神的疲労も酷いわ。

 とは言え、これで気ぃ抜くって事も出来んのだがね。この戦場は兎も角、万魔殿との戦争自体は、まだ終わった訳じゃあ無いからなぁ。


 ただそれでも、一息くらいは付かせて貰いたい所だわ。流石に疲れた。ここで俺が休息入れただけで、戦争の趨勢が決まるってぇ事も無いだろうしさ。


 ******


 俺とアポリオンとの戦いは、結構、離れていた筈の王国軍にも見えてたみたいで、俺が国王陛下と合流した時には、王国軍ではその話題一色ってぇ感じだった。

 まぁ、インパクト強いだろうさね。なんぼファンタジーな世界だと言ったって、うん十メートル級の生き物の戦いとか、早々お目に掛れるもんじゃ無いからな。


 『神話の戦いかと思ったぞ』ってのは、合流した後、国王陛下(セルヴィスおじさん)に言われた事。

 陛下は笑いながらそう言ってくれて居たけど、その周囲の貴族の一部は、やや顔が引き攣ってたやね。まぁ、分からんでもないけど。


 多分、俺の事を『危険だ』とか『王国に弓引いたらどうするのか』とか『あの力で他国に侵攻を』とかって言って来る輩も一定数居るんだろうな。

 特に俺、夜会とかあまり出ないから、為人(ひととなり)が分からんってぇ輩も多いんだと思うし。分からない相手を信用とか出来んし。


 俺、結構過激派的に見られてるらしいし。


 それは兎も角、家の領地の軍の皆ね、【魔神アポリオン】が倒れたのを見た後、合流していた王国軍から離れて、真っ先に俺のもとに駆け付けようとかしてくれてたらしいよ。俺の思ってた通り。

 国王陛下も、戦争の作戦中なら兎も角、アポリオンが倒れたのを見た後だったから、俺の所へ向かおうとしてるのを許可して下さったらしい。


 まぁ、合流した時には既に、アポリオンの姿は影も形もない状態だった訳だけど。あの亡骸(なきがら)の方じゃぁ無く、本体の方なぁ?

 恐らく【オド】によって形作られてる筈なのに亡骸が残ってるのが地味に謎なんよね、【魔神体】。


 あれか? 確か生体磁気をいじくって、その本体の方も変化させる事が出来る的なオカルト記事を前世で読んだ気もしたけど、それが正しかったんかね? まぁ、オカルト寄りのファンタジー的何かな気もするが……中から本体出て来たり、敵兵の死体が残らんかったりしてるのを考えると、あまり想像したくない感じのアレなんだがね。


 まぁ、あれだ、魔物倒した後、それらの死骸を素材にするのは当たり前の事なんだし、そんな様なもんだと思っておこう。確かにあれは、【魔神アポリオン】なんだし、原材料の事とかは考えない様にしようそうしよう。それ以上の事では無い。いいね? そう言う事だ。


 それは兎も角、亡骸を解体して出た素材の大体4割程度は国王陛下に献上して、残りを俺達で使わせて貰うってぇ事で話は付いた。

 いやまぁ、『全て献上すべきだ』とかって意見も有ったよ? ただ、メインで戦ったのが俺の領地の軍だし、領地的にも俺の領地内での事だし、(とど)めまで刺したの俺だし、解体とかも俺の領地の人間がやる訳だしって事で、押し通させて貰った。国王陛下からの一声も有ったしね。


 実際、国王陛下、俺贔屓な所有るけど、この事とかで、あまり他の有力貴族ともめんと良いなぁ。いや、国王陛下自身は『キサマは結果を出しているのだ。そう言った人材を重用するのは当たり前だ』とかって言ってくれてるけどね。


 兎も角、家の領地での戦いは、これで一旦終了だわ。

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