まぁ、魔族だし
まぁ、年明けからの不調が続いて居ます。どうしたら治るんだろう?
それは兎も角、遅くなって申し訳ない。
オファニムに搭乗し、ケルブが追加装甲状態で合体する。そして手にはファティマを装備。【プラーナ】でエネルギーフィールド状態で刃を形成し、その状態のファティマを構える。
一方、アポリオンの方も【変身】を果たす。パリパリと言う放電現象の後、周囲の光エネルギーや熱エネルギーを吸収する事で、アポリオンの周辺だけ薄暗くなり、一気に温度が下がって周囲の水分が結晶化し、ダイヤモンドダストと成って白い冷気が覆い尽くす。それを振り払う様に散らすと、その中から、異様な腕の長さをした、大小様々な蝗を無理矢理人のシルエットに押し込んだかの様な異形の【怪人態】の姿をアポリオンは現した。
それと同時に周囲にまき散らされる【恐怖】。
「ヘンリエッタ王女!! 【恐怖】だ!!」
「分かりました!! フェルム・エスト・ヴァルセル・エト・ヌルウト・セルヴァ!! 【気勢】!!!!」
事前にその可能性は王女に話していたし、ヘンリエッタ王女もその可能性は考えて居たっぽい。前にアポリオンと戦ってた時も【障壁】が無ければやられていたところだった訳だしな。それに、一騎打ちだって言ってたとしても、相手は魔族だしなぁとは思ってたわ。だって前もアポリオン、特に制御してる様子無かったし。他の魔族も制御するか分からなかったし。
だが【気勢】を掛けても、それでもなお、その魔物とは全く違う悍ましい姿に、アポリオンが魔族であると言う事実を再認識したのか、もしくは、お伽話でしか聞いた事のない魔族と言うものの存在に対してか、こっちの軍の兵士達には動揺が走ってるし、パズス軍の狂信者達の士気は上がっている。向こうも【恐怖】の影響は受けてる筈なんだがなぁ。何でじゃろ?
俺は結構慣れっちまってるけど、そう言や魔族って出会う事なんざまずない程のレアな存在なんよね。いや、おまいら時折稽古つけてくれていたテモ・ハッパーボ、アイツ魔族やったねんで? まぁ、正体明かしてなかったけど。
俺が背部バックパックのブースターを吹かすのと同時に、アポリオンも翅を広げ、同じタイミングで加速する。ファティマとアポリオンの腕が激突し、二人の足元がへこみ落ちクレーターが形成され、周囲に衝撃波の爆風が吹き荒れる。
一合二合と打ち合い、フェイントを入れた蹴りに蹴りを合わせると、弾かれた勢いも利用し踏み込み、返す刀で真っ向両断。だが、それは半身で避けられ、反撃の中段突き。
それをファティマの柄で受けると、その反動を利用して逆袈裟に。その攻撃を回転する事で避けたアポリオンとさらに打ち合い、打ち合わせての力比べ。成程、さっきも攻撃が重いとは思ったけど、実際、膂力がさらに上がって居やがる。魔導鎧状態の俺ですら、あの時の焼き直しに成る位には、な。成程、今の状態じゃぁ、まだこちらの分が悪いってか。
腕部のブースターを使って強引にファティマを振りぬき、背部スラスターを逆噴射して一旦距離を取る。
その時に成って、両軍の兵士がハッと気を取り戻したのか、声を上げ、ぶつかり合うべく突撃し合う。
これだけ大人数がぶつかり合ってるってのに、俺とアポリオンの周囲だけ、不自然に誰も近寄らないのは、俺達の邪魔をしない為か、それとも巻き込まれたくないからか。まぁ、どちらもか。
ファティマを構え直し、【プラーナ】を精製、濃縮、循環させる。
「さて、第二ラウンド、行こうか!!」




