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荒野に吹きすさぶ風

 2025/02/01

 説明不足だと感じた部分を加筆修正しました。

 この事による、ストーリーラインの影響はありません。

 万魔殿との攻防は一進一退より、やや分が悪いってぇ感じ。いや、人類圏では俺の他にも頑張っている人とかもチラホラとは出ている訳なんだけど、それでも、万魔殿支配下に居る人間が多い。ってか、侵略された国の人間はそのまま支配下に入ってるってぇ感じだわ。


 まぁ、侵略された国の内部は、かなり荒廃しちまってるってぇ感じだし、そんな荒れ果てた国じゃぁ、人々の精神も荒れ果てるだろう。

 そうなれば、むしろ魔族の精神支配は捗るんじゃないかな?


 邪神に希望を抱いた狂信者で、半分精神を侵された疑似ゾンビーな存在。まぁ、だとしても狂信者は狂信者なんだろうけど。


 地平線まで望める荒野には万魔殿の兵士の群れ。この一団の動きは、他のパズスの軍とは少し違っていたんよね。

 他の軍隊が万魔殿を中心に放射状に展開していたのとは違って、この中隊だけは、他の国を避ける様にしてデストネーチェ王国にってかオーサキ領に向かってたんだわ。

 避ける様に行軍されてた所為か発見が遅れ、もう目と鼻の先って位に成って、ようやっと発見されたってのが、実に嫌らしい。

 魔力さえ与えてれば、取り敢えず生きていられるってぇ疑似ゾンビーだからこそ行える強攻策。

 その分、兵士達は本当のゾンビーに近付いて行く訳だけど、むしろ向こうにとっては、願ったり叶ったりなんかね?


 俺が他の国に援軍として出ていたってぇ事も有って、国王陛下も、発見後は遅延工作に徹してくれていたらしい。それが功を奏してと言うか何と言うか、泥沼の戦闘にまでは発展せず、負傷者こそ多いけれど、死者は出ていないらしい。


 お陰様で、向こうの軍がオーサキ領にまで踏み入れる前に、こうして間に合った訳なんだから、もう、感謝しかない。


 デストネーチェ王国兵の本隊は既に撤退し、その為、悠々と荒野を進む万魔殿の兵士達の、その最前線に、えらく見覚えのある魔族が一柱(ひとり)


「成程、こう来るか」


 鎧を着込む事もなく、素顔を晒しながら悠然と向かって来る、2mを越えるかと言う僧形の偉丈夫の姿。


「アポリオン……」


 予想通り威力偵察だったってぇ事かね? そうなると、俺に対して手出しをさせない様に進言したのはコイツかぁ?


「どうしますか? マイロード」

「一旦待機で」


 俺の後ろに整列した、家の騎士兵士は、他国のそれよりも精強ではあるが、それでもこの兵力差があると万が一ってぇ事も有るからなぁ。

 狂信者連中の能力ってのは、この援軍三昧の中で、飽きる程見て来た。その感触からすれば、決して負ける事は無いと確信は出来るんだが、だとしても戦争に絶対って事は無いし、少っしばかり、懸念事項も有る。


 アポリオンが前回来た時には、俺の戦闘力を測った上で、そのまま、まんまと逃げおおせている訳だ。

 そのアポリオンが最前線に出て来ている。つまりそれは、向こうには俺に対しての迎撃の準備が出来ており、最低でも引き分けられる位の勝算が有るってぇ事だよな?

 それにそもそも、今迄の例で言えば、隊長格である魔族は、劣勢になった時に、ようやっと戦場に出向いていた訳だが、その魔族(たいちょうかく)が、既にもっとも前に居ると言う違和感。

 これが罠でないと何故言えるだろう。むしろ罠だと決め打ちして良い位の不自然さ。


 下手をすれば、この中隊に所属している魔族は1柱だけじゃぁ無いんじゃないかな?

 むしろ俺だったら、複数柱(ふくすうにん)準備している所だ。

 1柱に俺を相手させて於いての、別働隊。以前、俺がやった事の、真逆をやられるってぇ可能性。


 だとすれば、ここは一旦待機して、相手の出方を見た方が良いだろうさね。

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