閑話休題してる様な違う様な
結局の所、俺の噂話ってのは『辺境伯凶暴』と『【ドラゴンスレイヤー】大した事ない』に二極されるらしい。
一寸気疲れしたんで、脳内集合かけてサロンの一つを占領してみた。イブが甲斐甲斐しくお茶を淹れてくれ、俺自身は第二夫人に抱っこされてスンスンされながらそのお茶を飲んでる。そんな俺達のソファの後ろではファティマとジャンヌが立っているってぇ状況な訳だ。
カオスだよなぁ。でもこれ、領地に居る時は割と平常運転な光景なんだぜ?
んで、俺達が使ってるソファ以外にネフェル王女とヘンリエッタ王女が座り、アルフレドとマリエルがその後ろで立って居るってぇ感じ。
俺は、後頭部に第二夫人の吐息を感じながら大きく溜め息を吐く。
「俺に付いての噂話って、どっちも悪評なんだよなぁ」
『【苦笑】それは仕方ないでしょう。持つ者と言うのは、矢張りやっかまれる物ですから』
……別に憧れても良いのよ?
上の二極化した噂話については、第二夫人以外、王女'S、アルフレドも確認した話で、“俺”って言う人物に対する、新年会に参加した貴族達の、現時点での共通認識でも有るらしい。
つまりは“俺”って言うキャラクターについてはそんな感じで二極化してるんだそうな。
ただ、俺と直接面識の有る貴族からに関しては、その限りでも無いらしい。一寸ヤンチャだけど、筋を通せば狂犬じみた行いはしないってぇ感じだけどなぁ。
若干、悪評気味なのは、まぁ、やらかしてるのは事実だし、しょうがない所か。
それは兎も角、頑張って夜会とかお茶会とか参加した甲斐が有ったよね? 有ったと言って欲しいっ!!
あんな面倒な事してたんだからっ、少しはっ!!
ただ、ぶっちゃけ、こんな二極化した悪評ばかりが挙がるのは、俺にも責任があるとは思ってる。
何せ、絡んできた連中をアレヤコレヤしたのは事実だし、その結果、その連中の認識がアレヤコレヤしたのも事実だからな。
その上で、普段、夜会やら何やらの社交は第二夫人に任せっきりな訳だから、“俺”の実態を知らない連中からしてみたら“見た目”で判断するしか無い訳だ。
で、俺の見た目ってのがさぁ。
認めたくは無いものだな、女児にも間違えられる我が身と言う物などっ!
スーハー、スーハー、スーハー……
良し、大丈夫だ。俺はクールだ。
うん、まぁ、そんな感じ。
見た目からしたら、とてもじゃ無いが、ここまで戦闘力が有るとは思わんだろうからな。
『え? マジで? ちょっと待ってくださいよぉ!』って成るのも分からんでも無いんだわ。で、そんな心理的状況の所に『え? 【ドラゴンスレイヤー】? あぁ、あれ実はフカシらしいっすよ?』とかって言われれば、『あぁ、やっぱりな』とか思うのも理解は出来る訳だ。
で、俺って、実は慈善事業ってやってない訳じゃん? そりゃ、良い評判なんざ立つわきゃないんよね。
う~ん。少しは自分の行い顧みた方が良いんかね?
『【否定】アドミニストレーターは『引かぬ媚びぬ顧みぬぅ』て良いデス!!』
うん、それ、最終的に“愛”に屈して倒れる系の覇王だよね?




