貴族社会の裏と裏
色々と時間が取れなかったり、慣れない執筆環境だったりして、随分と遅くなりました。
申し訳ない。
何時もより移動時間は掛かったけど、それを見越しての移動開始だった事もあって、王都についてから新年式までの余裕は有った。
なんで、その間、ミカやバラキ、イブとティネッツアちゃん達と王都観光。普通はこの間に普段会えない同派閥の貴族なんかと、お茶会お茶会、時々夜会な感じらしい。
俺は派閥とか入って無いし、あまり関係ないけど。
それでも、俺を招待したいとかって奇特な貴族も居るには居て、その中で、既に顔見知りに成ってた貴族とか、第二夫人推薦の夜会には顔を出してたけどなぁ。折角、社交の季節やしねぇと。
そう言った、お茶会やら夜会やらでの話題って、王都での流行りだったり、何処ぞの貴族の醜聞だったりと、まぁ、前世で言う、ワイドショーネタな感じのものがチラホラ。
俺は、どちらかと言えば、そう言った話題には疎い方なんで、情報として、有り難く聞かせて貰っている訳だが。
もっとも、話が又聞だったり主観が入りまくったりと、“参考”程度にしておいたほうが良いかなぁって感じのものが多かったけどね。
それでも分母を大きくする事で、大体の真実は見えて来る……はず。
「そう言った中にも、態と流布されてる醜聞何かも多いから、鵜呑みにしちゃ駄目よ?」
第二夫人曰く、自分にとって必要だと思う情報は、必ず裏を取りなさいって事らしい。
それ以外の話題は、他の人から別の噂話を引き出す為の、餌にしろと言う事だった。
うん、第二夫人、俺を社交界的に鍛え上げる為に、夜会とか厳選してくれてるらしい。
「流行りや話題に成っている事柄を知って置く事は、自分を守る盾にも成るわ。だから、知っておいて損は無いのよ」
流行りの演劇のセリフやら演出になぞらえて、褒めそやしたり皮肉ったりってのも常套手段だったりするんだとか。
それ以外にも、相手を誘ったりとかなぁ。
「本当は、トールちゃんには、まだまだ早いとは思ってるのよ? でも、一応にも当主だし、適齢期だと思われてる訳でしょう? そう言った野獣達から身を守る為にもね?」
あーうん、色々気を使ってくれてる訳だぁね。まぁ、怖いからね、既成事実とか。
二人の王女を付けてくれてるのも、その一環では有るわけか。
実情はどうであれ、端から見ればそう見える訳だしなぁ。
「てか、二人はソレで良いんか?」
「師父の為と成るのなら、構いません!!」
「愛し子様と、そう言った目で見られると言うのは、むしろ、こちらの方が有り難く存じますので」
……俺にその気が無い以上、後々、二人の人生的に瑕疵に成りそうな気がするんだが……そんな風に思っていたら、ネフェル王女もヘンリエッタ王女も、『そう言った表面しか見えない輩なら、むしろこちらからお断り』なのだそうな。
「それに、そう言った醜聞を知っていて尚、自分達にメリットが有ると思えば、それでも婚姻は持ちかけて来ますので」
まぁ、そんな醜聞程度で揺らぐ程、彼女達の立場は脆い物じゃ無いんだそうな。
うーん、二人がそれで納得してるってのなら、俺の方から言う事とか無いけどね。




